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☆ ☆ 雑 記 帳 ☆ ☆




がんばれ、うちの自慢の娘たち、そして不肖のボンクラ息子たち
  Date: 2004-08-06 (Fri)

 熱海といえば、寛一お宮(金色夜叉)でもなく、熱海後楽園ホテルのヒーローショーでもなく、熱海秘宝館でもなく‥‥ 『熱海殺人事件』だ。
 『熱海殺人事件』。日本が誇る演劇人つかこうへいの出世作にして、後の第三次演劇ブームの火付け役ともなった一本。現在、30代後半から40代の演劇人に大きな影響を与えた。
 同名戯曲を原作とし、映画もつくられている。
 『熱海殺人事件』(1986) 監督:高橋和男,脚本:つかこうへい,音楽:久石譲
 くわえ煙草伝兵衛役に仲代達也、熊田刑事役に風間杜夫、婦警役に志保美悦子。
 当時、この映画は、興行成績的には振るわなかった。映画評論家たちのほとんどは駄作として黙殺。普通の映画ファンからは「舞台臭い」という理由で嫌われた。そして、舞台ファンからは「つかこうへい作品のハイテンションが感じられない」とブーイングが。
 結果として、今でもDVDにさえならず、たまーにテレビの深夜枠でひっそりと放映されるような扱いである。
 だが、私はこの作品が好きだ。
 ビデオももっている(中古ビデオ屋で500円で購入。なんと、未開封新品だった。売れなかったんだなぁ、ホントに)。
 日本一のハイテンション俳優と呼ばれた風間杜夫のパッションを、映像に焼き付けた唯一の作品は、この映画『熱海殺人事件』だけである。
 あまりに偉大すぎる名優・仲代達也の数少ないコメディ作品であり、きっちりと笑わせている唯一の作品は、この映画『熱海殺人事件』だけである。
 アクション女優として色物扱いされてきた志保美悦子に演技開眼させ、その熟した色気をはっきりと映像に焼き付けた唯一の作品は、この映画『熱海殺人事件』だけである。

 この映画『熱海殺人事件』には、いくつも好きなシーンがある。
 それらは舞台でつかこうへいを楽しんだファンなら、お馴染みのシーンの映像版に過ぎないかもしれないが、つかワールドのわかりやすさという意味では、この映画『熱海殺人事件』が一番だろう。
 その中に、こんなシーンがある。

 殺人犯としての自覚が足りないと、二階堂伝兵衛刑事に非難される大山次郎(竹田高利)。ついに大山はぶんむくれてしまう。
 そんな大山に二階堂刑事は訴える。
「この事件はおまえだけのものじゃないんだ。みんなのものなんだ。この事件が解決されれば、みんなが幸せになれるんだよ。みんなで幸せになろうよ」
 殺人事件の取調べ現場とは思えない、わけのわからなさである。
 が、観客は最後まで見ていくうちに意味がわかってくる。
 ひとつの事件を解決するために、二階堂刑事には二階堂刑事の私的な“事件”が、熊田刑事には熊田刑事の私的な“事件”が、取調室というステージでくっきりと暴かれねばならないのだ。
 これこそが、つかこうへいの魅力「演劇的な日常=日常における演劇」の真骨頂である。

 舞台をやっていれば、わかることがいくつもある。
 舞台とは、稽古すればいいってものではない。
 何百時間、何千時間も稽古しようが、技術や慣れでは解決できないことの方が数多い。
 最も大事なこと、それは一本の舞台を通じて、自分自身を成長させていくことである。
 数ヶ月における濃密な稽古の連続の日々は、自分自身の内面に刃を向ける。
 俳優はもちろん、スタッフにも、だ。
 自分の人間的な弱点・欠点・短所を、イヤというほど思い知らされるのが、舞台というものなのである。
 自分の内面を暴かれるのを怖がり、閉じこもったら負けである。
 自分の内面を覗かれるのを怖がり、ブロックしたら何も成長しない。
 だからこそ、舞台こそが演劇人の故郷であり、最高の修業の場所なのだ。

 エモティオ公演『二重の不実』本番まで、あと1ヵ月半。
 各自、内面の淵が見え始めてきた。
 それで、いいんだ。
 見ろ、もっと見ろ。
 見たくないものだからこそ、見なくちゃいけない。
 成長したいだろ?
 うまくなりたいだろ?
 なら、見ろ、変われ。
 そして、観客といっしょに幸せになろう。

 オトーサンもがんばってますよん♪
 打ち上げで美味い酒のもうぜ☆

☆186500アクセス、ありがとうございます♪

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
   ドラマラボ・エモティオ公演
『二重の不実』マリヴォー作・安達成彦演出
  9月17〜20日 於シアター風姿花伝
 ▼詳細はエモティオ公式サイトで▼
  http://drama21c.com/emotio/
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

徒然なる
  Date: 2004-07-24 (Sat)

 テレビで『となりのトトロ』を放映していた。
 トトロの声を聴くと、高木先生のことを思い出して、悲しくなる。
 まさか、こんな気持ちでトトロを観る日が来るとは思ってもみなかった‥‥

 先日、愛弟子だった子から三年ぶりにメールをもらった。
 内容は、あらためての感謝の言葉と、そして不義理に対する謝罪。
 変な話だが、「生きてて良かったな」と、メールを読みながらしみじみ思った。
 そして、このメールを出すのは、彼女にとって、本当に決心のいることだろうなと想像し、心の中で「えらかったね」と褒めてあげた。

 今年の安達ゼミ夏季強化訓練の題材は『かもめのジョナサン』。
 私が生まれて初めて「ジョナサン」を読んだのは、小学校6年の頃だったかな。
 感動したなぁ。小説を読んであそこまで感動したのは、その後、ない。
 みんな、“古いカモメ”から早く脱却しようね。

 ドラマラボ・エモティオ第2回公演『二重の不実』の稽古快調♪
 近日中にエモティオの告知サイトも立ち上げますので、乞うご期待☆

 APTサマーセミナー開催!
 ▼詳細はこのサイトにて▼
 http://homepage2.nifty.com/apt/2004summer.htm

 185000HIT! ありがとうございます。

数字で見る声優への道
  Date: 2004-04-22 (Thu)

 勝田声優学院も4月から23期生を迎えた。
 勝田声優学院では、特に入学式はやらない。初日授業に勝田先生のお言葉と、事務員やアルバイトの簡単な紹介があるだけだ。

 で、今年の勝田先生のお言葉。
「君たち、大変な世界に入ってきちゃったねぇ。君たち、医師国家試験や司法試験の合格者数は知ってるかい?」
 うわぁー… 勝田先生、いきなりソコから話を始めますか(苦笑)。

 医師国家試験は、9000人前後が受験し、合格者数は平均7000〜8000人程度だ。
 受験者数や合格者数だけ聞くと、けっこう高い数字で意外かもしれないが、この人たちは大学の医学部に入学しているという前提がある。(日本の医師国家試験は、4年制大学医学部卒業者しか受験できない)
 司法試験は、80000人前後が受験し、合格者数は平均1000〜1200人程度だ。これはもう、ハンパな数字ではない。恐れ入谷の鬼子母神である。

 では、声優の世界はどうであろう?
 声優の世界には、ライセンスはない。なので、どう規定するかによって数字にばらつきがある。

 新人が声優として認知されるのを、事務所に「準所属」または「預かり」されているかどうかで見る方法がある。
 業界的に、大手・中堅と呼ばれる事務所は10社程度。1社あたり平均で、年間5〜10人程度が「預かり」となり、年間3〜5人程度が「準所属」となる。合計して、全体で50〜100人程度が「預かり」となり、全体で30人〜50人程度が「準所属」となる。
 中小や零細とされる事務所では、敷居はもっと低い。「預かり」や「準所属」を連発する。(このデータは出せない。なぜなら、泡沫事務所が多すぎて、業界人でも把握できないからだ)
 これを聞いて、「小さい事務所ならすぐにデビューできるかも」と早とちりしてはいけない。
 1回仕事をしてもデビューというなら、年間3000人以上がデビューしているのは間違いないだろう。
 ところが年間2回声の仕事をしている「準所属」「預かり」となると、年間2000人以下となる。
 年間12回以上(つまり、月に1回声の仕事をしている)声の仕事をしている「準所属」「預かり」は、年間100人以下だ。
 ぶっちゃけて言ってしまえば、声の仕事を○回やったからといって安心は出来ない。コンスタントに仕事が来ないし、30代でもアルバイトをしながら‥‥というのが当たり前の業界である。
 「預かり」「準所属」の、業界全体での人数は1000人前後といわれている。
 毎年、200人前後が放出され、200人前後が新たに入ってくるということだ。

 さあ、ここで気付こう。

 たった1回だけであっても、声優としてデビューできる新人は年間3000人前後。
 声優として、たった1回の声の仕事をするだけであっても、医師国家試験合格よりも数字的には困難なのである。

 大手・中堅の事務所で、声優として「準所属」「預かり」となるのは、多く見積もっても年間150人だ。
 事務所の「預かり」「準所属」となるには、司法試験合格よりも数字的には困難なのである。

 医師国家試験や司法試験の合格者は、めったなことで食いっぱぐれはない。若いうちは収入的に苦労するが安定しているし、将来的には高収入が期待できる。
 声優は、お医者さんや弁護士さんになるより困難なのに、収入的に苦労するし、不安定だし、将来も不透明。
 しかも、声優、俳優の社会的なステータスはお世辞にも高いとはいえない。
 どんな有名な声優であっても、各種金融機関はなかなかお金を貸してはくれない。有名なベテラン声優であっても、持ち家の人が少ないのは、大きなローンは組ませてもらえないからだ。

 国家試験による資格は、特別な事情が無い限りは、自動的に更新されていく。事件や事故でもない限りは、取得した資格を剥奪されることはない。
 「預かり」や「準所属」は、1年〜2年で結果を求められる。結果とはなにか? この先、うちの事務所で商品として売り続けていくかどうかの商品価値である。仕事が続かなかったり、仕事をとれない「預かり」や「準所属」は、事務所から放出される。結果を出せた準所属は、晴れて「正所属」となる。ここまで来ると、堂々と声優として名乗れるだろう。

 さて、ここで算数をやってみよう。

 問題:ある人が、受験倍率10倍の養成所に合格し、1年後の上級クラスに進級(2倍)し、2年後に預かり(5倍)となり、4年後に準所属(5倍)となり、6年後に正所属(10倍)となりました。この人は、最初の受験者ベースから積算して、何倍の倍率を潜り抜けたことになるでしょうか?
 注1:ちなみに、この問題は、ストレートに正所属になれた場合であって、このルートで声優になれる人は本当に幸運である。
 注2:正所属になったからといって、声優の収入のみで生活ができる保証はない。

 小学校3年生程度の算数だよ。
 声優志望者諸君、君たちが足を踏み出そうとしているのは、こういう世界なんだよ?

 諦められるなら、諦めなさい。
そのほうが利口です。
諦められないなら、真剣に頑張りなさい。 適当にやってどうにかなるほど、甘い世界じゃないよ。

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■176458HIT! ありがとうございます。

■桜井さんへ…やっとこさ、更新しました(笑)

■勝田声優学院23期生の諸君、入学おめでとう。基礎科生の諸君とはなかなか会う機会がないけど、元気に明るく頑張ってくれ!

名優 高木 均先生 御逝去
  Date: 2004-02-14 (Sat)

 偉大なる俳優、高木 均さんが2月12日にお亡くなりになった。
 声優として、最初にアニメ化された時の「ムーミン」のパパ、映画「どうぶつ宝島」のオッサン、TV「銀河鉄道999」のナレーション、「となりのトトロ」の大トトロ、「にこにこぷん」のかしのきじいさん。
 映画やテレビの時代劇では悪役としても活躍していた。映画では「蜘蛛巣城」「吸血髑髏船」といった映画史に残る名作に出演、NHK大河ドラマでも「黄金の日々」「独眼竜政宗」などに出演。
 舞台は、それこそ数え切れないほどの作品に出演し、文学座、NLT、演劇集団円と活躍し続けた。98年に心臓病で倒れた後も、99年には江守徹さんと「キーン」で共演。舞台上で、どの若手にも負けぬ発声と集中力の高さで共演者と観客を圧倒した。また、つい先日も野沢雅子さんと朗読を上演。これが最後の舞台となった。
 業界におけるベテランたちからは“キンさん”と呼ばれ愛され、後輩となる我々は敬意と畏怖の念を持って“キン先生”と呼んでいた。

 キン先生は、芝居の鬼だった。
 ある舞台公演でのことだ。キン先生は当時もう十分にビッグネームであり、演出も他の出演者も最大限に気を遣っていた。その芝居は3ヶ月の稽古期間をとっていたが、キン先生は毎日稽古場に現れる。普通、ベテランは最初の1ヶ月は稽古場になかなか顔を出さない。若手たちの芝居がある程度カタチになる本番2ヶ月前からボチボチ顔を出し、1ヶ月前から本腰を入れる。
 しかし、キン先生は違った。稽古開始のその日から、毎日稽古場に来る。それもどの新人より早く。正直、キン先生より若い演出はやりにくくて仕方が無いのだが、それでも毎日稽古に来る。最初の稽古から本気で芝居をしてくる。演出は何度もキン先生に「お忙しいでしょうから‥‥」と、暗に(まだ稽古には顔を出さないでくれ)とお願いするのだが、キン先生は全く意に介さない。
 大ベテランのキン先生が毎日稽古場に行くのに、他のベテランや中堅が行かないわけにもいかない。その芝居の稽古は本番3ヶ月前からほぼ全員揃うことになり、結果として本番は大成功であった。
 私は後に、このことをキン先生ご本人に質問してみた。すると、キン先生はニヤリと笑って「別に他の連中は来なくてもよかったんだけどな」。私が「稽古場に喝を入れたかったんでしょう?」と言うと、ガッハッハッハ!と笑うのみであった。

 キン先生は、厳しい方だった。
 これは野沢雅子さんから聞いた話だ。あるアフレコ現場で、パンの差し入れがあった。裕福なベテランや中堅たちにはともかく、まだまだ貧乏な新人にはありがたい差し入れだ。ベテランたちが申し訳程度に口をつけたのち(業界では、差し入れは、まずベテランからが鉄則)、2人の駆け出しの新人に勧めた。新人が喜んでパンを手にした時、キン先生が「待て!」。キン先生は新人が手にしたパンを二つに割ると、半分ずつを渡し、こう言った。
 「おまえたちは、まだ1個のパンを食べるのはナマイキだ。こうやって、半分にして食べろ」
 鬼のように怖いキン先生のお言葉だ。わけもわからずにパンを食べる新人2人。キン先生は新人を見ながら、声をかけた。
 「しっかりと精進していれば、パンなんかいくらでも食べられるようになる。今はまだ、半人前だから、パンを半分しか食べられないんだ。早く一人前になれ。だが、一人前になっても、1個のパンを仲間といっしょに半分こにして食べたことを忘れるな」
 この言葉に、野沢さんは感激したという。何を意地悪しているのかと思い、注意しようと思ったのだが、新人たちにしっかりと躾してくれているキンさんは偉大だ、と。

 キン先生は、後輩に優しい方だった。
 あるプロダクション養成所での卒業公演でのことだった。キン先生は卒業公演から観に来てくださり、その後の打ち上げまで参加してくれた。
 ところが、肝心の役者たちがなかなか来ない。撤収が手間取っていたのである。その撤収の段取りの悪さを、手伝いもしない事務所の人間が役者たちをなじっているのを見て、キン先生は激怒した。
 「今日の主役は、あいつらだろう! 俳優をなんだと思ってる!」
 あの声量で思いっきり事務所の人間を怒鳴りつけるのだ。驚いた事務所の人間は社長を除いて全員が、観に来ていた先輩俳優たちもすぐに手伝い、あっという間に撤収は完了した。

 キン先生のエピソードは尽きることが無い。次から次へと涌いてくる。
 このエピソードを最後に紹介しよう。

 私とキン先生が巣鴨の台湾料理屋で話していた時のことだ。
「高木先生は、声優の仕事をどうお考えになりますか?」
「仕事だな」
「特に思い入れはないのですか?」
「いや、声優の仕事のおかげで、自分は舞台をやり続けることができた。
 顔出し(映像)は拘束時間が長いだろう?
 何日も何週間も拘束されるから、舞台の稽古に支障が出るんだよ。
 だけど、声優の仕事は1日で終わる。舞台の稽古ができるんだ。
 舞台をやり続けていくためには、声優の仕事はありがたかったね」

 一生を現役のプロ俳優として過ごした偉大なる先輩のご冥福を心からお祈りします。

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訃報:高木均さん78歳=俳優、トトロ役の声優
 高木均さん78歳(たかぎ・ひとし=俳優、声優)11日、虚血性心不全のため死去。葬儀は17日午前11時半、東京都新宿区南元町19の2の千日谷会堂。自宅は非公表。喪主は長男健太(たけもと)さん。
 演劇活動のほか、声優として、テレビアニメ「ムーミン」のムーミンパパ役や映画「となりのトトロ」のトトロ役などを務めた。
[毎日新聞2月12日] ( 2004-02-12-19:14 )
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俳優のキャラクター
  Date: 2003-08-14 (Thu)

 今回の雑記帳はネタ募集から‥‥
 声優修業5年目ぐらいからのレベルかな?

「自分を売る時、自分が思っているキャラと、思われてるキャラに差がある場合はどうすればいいか?」

 人は誰でも「自分が思う自分」と「他人が思う自分」に差があるものだ。
 自分を正しく評価することはひじょうに難しい。自分を不当に低く評価する人もいれば、自分を不当に高く評価する人もいる。自分のことは自分が一番良くわかるというが、「主観」というものは、自分の心の在り方によってかなり不安定なものなのである。

 声優とは、プロ俳優のマスコミ仕事である。
 マスコミ仕事に従事するということは、プロダクションの「商品」になるということでもあるわけだ。
 商品である以上、「特長」がなければいけない。
 それは能力だけではなく、キャラクター=性質の面もある。(役者のキャラクターは性格ではなく、性質と考えるのが妥当だ)

 声質には、印象というものがある。高い低い、響きの量や位置によって、声質から想像されるキャラクターがある。声優としてのキャラクターは、この声質に左右されるところが大きい。
 しかし、声優としてのキャラクターは、声質だけで決まるものでもない。自分の得意な役というものもある。それは自分の性質と強く関係する場合もあるし、自分の性質とは無関係な場合もある。大事なことは、俳優個人のキャラクターとは、主観よりも客観から「求められる」ものということだ。
 ほとんどの場合、プロダクションは、声質から性質を求め、特長とする。この作業はひじょうに戦略的なもので、いわば俳優に「売れるキャラクター」を後付けするわけだ。たとえば、「君の声質なら、こういうキャラ(役)をものにしなさい」「君の声質はこういうキャラ(役)に向いているよ」という具合に。事務所によっては、向いているキャラ(役)に応じた外見…ファッションや髪型を求める場合もあるだろう。しかし、これらは事務所に所属(または準所属)した場合にのみである。

 …ということは、養成所の生徒のうちは、事務所から指示やアドヴァイスがもらえないこともあるわけだ。その場合、自分で、自分の俳優としてのキャラクター(特長)を意識して事務所に認知させる努力が必要になる。つまり、「私は商品になる特長を持ってますよ」ということをハッキリさせる、ということだ。

 さてさて、ここからやっと、名村クンのリクエストによる本題へと突入するわけだが‥‥

 究極のポイントは、他人の意見を最重要視することだ。主観のみで突っ走るのは自殺行為といえよう。
 この場合の他人とは、同期や友人ではない。マネージャーや講師である。
 マネージャーは声質から、講師は演技の性質からのアドヴァイスしてくれるだろう。
 ただし、アドヴァイスをしてもらえないこともある。マネージャーにしてみれば「キャラ以前の問題で、ピンとくるものが全然ない」、講師にしてみれば「キャラ以前に、能力が低すぎる」という場合だ。

 「自分で考えなさい」という場合もある。この時はひじょうに慎重にならなければいけない。とにかく自分を客観的に観察する。自分の「やりたい」「やりたくない」といった感情を無視して、他人として自分を見極めるのだ。
 役者は役を選り好みするものではない。どんな役であっても、内面からのアプローチによってやるものなのだから、やりたいとか、やりたくないという意志に左右されることはないはずなのだが‥‥‥
 しかし、実際には、役者も人の子。かっこいい役がやりたいし、綺麗な役、可愛い役に人気が集まるのは当然だ。本質的な問題は、やりたくない役にある。そこに自分の内面の問題があると自覚し、自問自答を繰り返す良い機会でもあろう。
 
 自分の主観のみで突っ走るとどうなるかといえば、ハッキリ言って「痛い志望者」になる。多いんだよね、こういう人‥‥
 最近の売れっ子新人声優はバラエティ寄りだからといってノリ重視でキャンキャンギャーギャーやったり、不思議チャンや天然チャンぶってウスラボケーポワワーンとしてたり、ブッキラボウなエエカッコシイの男の子やら、なんちゃってビジュアル系の軟弱男子ってのもいるねー(大抵、かっこよくない)。
 こういう痛い志望者は、業界人の評判最悪です。マジで嫌われるよ? スタジオは職場であって、痛い志望者の遊び場ではない。(志望者の過半数は痛い。せめて、まずは痛い人間から脱却するのを目標とするのがいいのではないか?)

 次に悩むことに「求められているキャラクターができない」ということもある。
 この場合、大前提は「できない」と言った時点でプロはオワリということだ。
 新人は、換えはいくらでもきく。できなければ、チャンスは他に流れるだけのことである。
 結論としては、研究するしかない。研究して実践する以外に、新人の選択肢は無い。
 事務所が求めているのは「商品」なのである。たとえ、新人であろうと、商品として並べる以上は、できないもへったくれもない。

 声優の勉強を始めて5年以上経つ人間なら、本気で意識しなければいけないことはいくつもある。
 その中でも最も大事なものは、演技で金を貰うという現実感だ。
 なぜ、演技で金を貰えるのだろうか?
 そもそも、金を払ってくれる人は誰か?
 仕事をとってきてくれる人は誰か?
 なによりも、自分は金を貰うに相応の演技をできるのか?
 今回のキャラクターということでいえば、「仕事をとる」ということは、どれだけ大変なことなのかをよく考えて欲しい。
 仕事は降って涌いてくるものでは断じてない。
 マネージャーがどれだけの苦労をしていることか? 彼らが我々製作サイドにどれだけ頭を下げて、気を遣い、必死の努力をしているか想像してみなさい。
 役者が、マスコミ俳優としてのキャラクターをつくる努力をするというのは、それは自分でできる「営業努力」なのである。
 営業努力をしないで、仕事がやってくるなんて、社会主義や共産主義でもない限り、絶対にないことだ。
 俳優は、徹底的な競争社会にあることを、真剣に意識しよう。

 声優の勉強を始めて2年ぐらいなら、自分のキャラクターについては、深く考えないほうがいい。
 それよりも大事な基礎能力の訓練が山ほどある。
 芝居の勉強を始めて1年や2年のうち(つまり、能力が全然足りないうちから)、やるべきこともやってないくせにマスコミ仕事に色気を出している志望者は、ハッキリいって醜悪だ。
 やるべきことをやる。
 ただ、それだけに純粋になる期間を大事にして欲しい。

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★155650アクセス突破♪ ありがとう★

★名村くんへ‥‥ とりあえず、こんな感じ。まだ、他にもききたいことがあったら、掲示板によろしく。

参考にしてくれるのはかまわないんだが‥‥
  Date: 2003-08-10 (Sun)

 久々に更新するわけだが‥‥‥(Q&Aはちゃんとやっていたけどね)

 うちのパクリ・サイトの発見報告があったんだよね。いや、パクリ疑惑サイトというべきか(笑)。
 デザイン的には似ても似つかない。白を基調とした可愛いデザインです。(うちのデザインは“軽さ追求”だったのだ。99年当時はダイヤルサインアップが基本だったからね。ISDN普及にあわせてフレームにしたけれど)
 ただし、内容的には、うちの VOICE ACTORS STUDO 内のコンテンツを再編集したもの。優しい言葉で(苦笑)。
 アイドル声優についてとか、特待生についてとか、そこらへんについてはオリジナルなんだけれども。
 一番大きな違いは、広告や、アマゾンのアソシエイト・プログラム(紹介することによって、書籍やCD・DVDの購入者がいたら購入額のキックバックがある)があることかな?(苦笑)。

 困ったことにこのサイト、製作者の素性がハッキリしていない。個人がやっているのか、企業がやっているのか、全然わからないわけだ。

 個人がやっているなら‥‥
 まぁ、とりあえず、頑張ってください。良いサイトに育つといいね。かなり、サイトづくりも慣れているようだし、志望者に対する情報提供を続けてください。長く続けるのは大変だぞ〜。これからはオリジナル情報をメインにしようね。うちは更新を滅多にしないから、フレッシュな情報を提供してください。
 ただ、あなたは誰? 現在進行中の声優志望者? それとも、元声優志望者? もしかして、所属している声優? それとも講師? 情報発信するなら、自分は「何者か」を明かそうね。それによって、他の志望者はどの程度まで参考にするかの目安にするのだから。

 企業がやっているなら‥‥
 仁義のひとつも切ってこいよなぁ。どういう企業なんだか、全く。
 担当者クン、うちのサイトを参考にするのはかまわないが、文言をもっと変えたまえよ。あと、独自の取材をもっとしたまえ。ネット内で探してきた情報だけで商売しちゃいけない。きちんと仁義を切ってくれれば、協力を考えないこともなかったのに。
 まぁ、他人の商売の邪魔をするつもりはないが、企業としてやるなら、せめて、業界人の顧問ぐらいはつけな。一部に、業界人ならすぐにわかる明らかな間違いがあるから。

 まぁ、個人にせよ、企業にせよ、このサイトは見てくれているだろうから、一度、メールをちょうだい。
 だいじょうぶ。怒ってないから。邪魔をするつもりもないし、いじめたりしないから。

 最後に‥‥ うちのサイトを参考にしてくれているところは少なくないのだけれども、あんまりあからさまにやっちゃ駄目だよ?
 私の著作物に関しては、日本シナリオ作家協会に著作権委託してありますから。
 あくまでも参考にとどめて、自分のオリジナル原稿をメインにしてサイトをつくってください。っていうか、それが当たり前(苦笑)。
 それから、掲示板などで私のサイトを紹介してくれる人もいるけど、それもやめてね。本気で検索して調べまくれば、いつかはうちのサイトに辿り着くんだから。何もわからない超初心者が、いきなり、うちのサイトに来てもわけわからないだろうし。

 ではでは♪

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★155308HIT! コンテンツへの直リンがなければ、この10倍だと言われた(w

★雑記帳で扱って欲しいネタがあったら、宝瓶宮倶楽部に書いてチョーダイ♪

そろそろ年度末だけど‥‥
  Date: 2003-03-04 (Tue)

 演劇の世界には飲兵衛が多い。
 みんな、なにかと理由をつけては酒を飲む。
 昔、こんな歌があって、我々は「こりゃ、演劇人のための歌だよな〜」なんて笑っていた。
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【日本全国酒飲み音頭】(詞・岡本圭司)

酒が飲める酒が飲める酒が飲めるぞ 酒が飲める飲めるぞ 酒が飲めるぞ
1月は正月で酒が飲めるぞ 酒が飲める飲めるぞ 酒が飲めるぞ
2月は豆まきで酒が飲めるぞ 酒が飲める飲めるぞ 酒が飲めるぞ
3月はひな祭りで酒が飲めるぞ 酒が飲める飲めるぞ 酒が飲めるぞ
4月は花見で酒が飲めるぞっと 酒が飲める飲めるぞ 酒が飲めるぞ
5月は子供の日で酒が飲めるぞ 酒が飲める飲めるぞ 酒が飲めるぞ
6月は田植えで酒が飲めるぞ 酒が飲める飲めるぞ 酒が飲めるぞ
7月は七夕で酒が飲めるぞ 酒が飲める飲めるぞ 酒が飲めるぞ
8月は暑いから酒が飲めるぞ 酒が飲める飲めるぞ 酒が飲めるぞ
9月は台風で酒が飲めるぞ 酒が飲める飲めるぞ 酒が飲めるぞ
10月は運動会で酒が飲めるぞ 酒が飲める飲めるぞ 酒が飲めるぞ
11月は何でもないけど酒が飲めるぞ 酒が飲める飲めるぞ 酒が飲めるぞ
12月はドサクサで酒が飲めるぞ 酒が飲める飲めるぞ 酒が飲めるぞ
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 タチが悪いなーと思うのは、この月替わり・酒を飲む予定以外にも、4月には年度始めの飲み会が、9月末には前期終了の飲み会が加わる。
 圧巻は12月から1月にかけてで、自分の劇団の忘年会のみならず、他人の劇団の忘年会にも加わり、音響さんとやったり、照明さんとやったりと、ほぼ毎週どこかしらで飲んでいる。その上、年が明ければ、同じことを今度は新年会で繰り返す。
 それ以外にも、飲む機会はまだまだある。仲間の誕生日だといっちゃ飲んだり、誰某に彼女が出来たといっちゃ喜んで飲み、誰某がフラレたといっちゃ慰めるために飲み‥‥ 単純に理由にさえなれば、いつでも飲んでいる連中ばかりなのが演劇界なのだ(馬鹿だねー)。

 もちろん、ちゃんと理由のある飲み会というのもある。

 演劇では、新しい作品に取り掛かる際、「打ち入り」という飲み会を行う。
 これは次の作品に取り掛かるスタッフと役者が一堂に会し、良い舞台に仕上げるための団結式のようなものだ。
 そして、上演が終わったら、「打ち上げ」という飲み会をやる。
 これは「お疲れ様でした」「ありがとうございました」と、無事に公演が終わったことを喜び祝うためのものだ。
 このふたつの飲み会のうち、打ち上げは最も大事なものである。
 公演をやってみればわかるのだが、けっして良いことばかりではない。悪いことも山ほどある。
 打ち上げとは、いわば「厄落とし」みたいなもので、「色々とありましたけれど、気分一新するためにパーッとやりましょう!」というものなのだ。
 スタッフにしても、役者にしても、作品が終わったからこそ言えることがある、酒の席だからこそ言えることがある。酒の勢いで全てを思い出話にして「こんなこともあったなー、あんなこともあったなー、まぁ、いいや、いいや、飲んで嫌なことは忘れちゃいましょう! カンパーイ!」というのが正しい打ち上げなのである。

 ベテラン演劇人たちと話していると、よく出てくる話に「最近の若い奴らは酒を飲まない」というのがある。
 70代の大ベテランは「明日があるからといって飲まないってのが腹が立つ」と言っていた。明日の予定があるなら、飲まないようにするのは賢い。しかし、賢いばかりで可愛げがない。若いうちは、頭でわかっていても馬鹿をやるものだ、と。(乱暴な言い分だとは思うが、かって私もそういう“教育”を受けたっけなー)
 「最近の若い連中は、飲めないから打ち上げに行かないなんて言うんだよ」というボヤキもよく聞く。飲めなくても参加して、先輩の言葉を有難くいただくのが、若い連中には大事な勉強になるんだけどな、と。
 また、あるベテラン講師は「飲み会の手配をさせると、使える奴と使えない奴がはっきりとわかる」とも言っていた。これには私も大いに同感だ。連絡を回す、会場を手配する、予算の組み立てるなどなど。飲み会を仕切るというのは、なかなか面倒な仕事だ。気遣いの出来ない奴には仕切れない。

 昔は、酒が飲めないという若い連中は「鍛えてやる」といって飲まされたものだった。酒が飲めるか飲めないかは体質的な問題もあるので、ひじょうに非科学的かつ非倫理的な習慣ではあるのだが、それで鍛えられた中堅やベテランは数多い。
 私の身近な例でいえば、16期のシンタはビール1杯で顔が真っ赤になるほどの下戸だったが、ジュニアとなり業界の大先輩たちのお供をさせられているうちに、今やワインをボトル半分飲めるようになった。
 よく「お酒は飲めたほうがいいのですか?」という質問を受けるが、これは間違いなく飲めたほうがいい。飲みの席だから言えることというのもあるし、飲んでいる時でもなければ出てこない貴重な昔話というのもある。
 まあ、体質的に飲めないというなら仕方が無い。18期のノムがそうだが、飲むと湿疹が出たり、心臓がドキドキとなるような人は無理をしないほうがいい。
 しかし、飲めようが、飲めまいが、打ち上げには参加する。これは当たり前のことなのである。
 これぐらいの理不尽には耐えたまえ。

 まぁ、毎週のように飲み会をやるのは馬鹿馬鹿しいのだが、せめて打ち上げだけはシッカリとやるように。
 打ち上げでなければ聞けない話というのは、業界には山ほどあるのだから。
 つまらないところで損をしないようにね。
【追記】
 これを読んで「安達は体が悪いのに飲んでばかりいるのか」と思う人もいるだろうが、そんなことはありません。最近は本当に飲まなくなりました。1週間に1〜2回飲むか飲まないかってところなので(笑)。

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本年もありがとうございました
  Date: 2002-12-31 (Tue)

 今日は12月31日。
 前回の更新が8月だから、秋をすっ飛ばして、いきなり年末になってしまった。
 今年はどんな年だったかといえば、死にかけた年。これに尽きる。
 各方面に随分と心配をかけたが、ま、とりあえずは大丈夫。なんとか生きている。一時は死相さえ出ていたが、持ち直してしまったおかげで真ん丸になってしまった。過去五年で最も太っている。
 格好よく言えば死の淵からの生還ってことになるのだが、これ、いい経験になったよ。色んな意味でね。身体的にはまだまだ本調子とはいえないが、精神的にはかなり強靭になった。

 死にかけ安達が、2002年、もっとも大事にしたことは何かといえば温故知新であった。いつ死んでもおかしくない状態で、自分が一番やりたいことはなんであろうかと考えた時、脳裏に浮かんだのは伝統芸能であった。
 伝統芸能…能、狂言、文楽、歌舞伎、落語、講談、浪曲…に対する想いがムクムクと湧き上がり、自分がやりたいというだけではなく、生徒たちにその面白さを伝えねばという義務感を強く感じたのである。
 それ以前から、私は生徒たちに「伝統芸能に接しなさい」と言ってはいたのだが、さほど強くは言わなかった。なぜか、死にかけた時に「生徒たちに古典芸能を知らせなければいけない」という義務感が芽生えた。
 その時に思ったことは、「落語は、話芸を追求していけば、必ず触れるだろう。そう遠くないうちに、喬太郎や花緑が大々的にクローズアップされるのは間違いないからな。しかし、講談はどうだろう? 浪曲は? 誰かが教えない限り、こいつらは観に行かないだろうな。あいつらに、講談や浪曲との接点を持たせなければ」。
 特に、講談に対する想いが強く、バンタン声優科と勝田本科と安達ゼミの生徒には「2ヶ月間に2回以上、生の講談を聞いて感想文を提出」という宿題まで課した。
 当初、講談に対し、みな、一様に抵抗感を示した。聴いたこともないくせに「難しい」と決め付けていたのだが、実際、聴いてみると、ほとんどの生徒が「おもしろい」と喜んだ。
 ちょうど今年6月に一龍齋貞水先生が人間国宝(重要無形文化財)となり、三代目神田山陽襲名などがあったので、今年は講談の当たり年であった。その上、私の生徒たちがわらわらと講釈場に出没したので、講談師たちの間でも随分と話題になったようである。事情を知った一龍齋貞心先生が色々とご協力くださったおかげで、生徒たちのうち何人かは自発的に講釈場に通うようにもなってくれた。
 私も数年ぶりに講釈場に通うようになり、浪曲では国本武春という天才にも巡り会え、とても心が豊かになれた一年となった次第だ。
 古典芸能の良さを語りだせばキリがない。それだけでサイトが成立するだけの奥深さがある。それゆえ、ここで多くを語りたくはない。
 声優志望者の中には、実際に講談をその目で見てその耳で聞く前に、ここに書かれたことを読んで「講談っていいんだってさ」となる人がいるからね。
 みんな、落語や講談を生で観てごらん。
 特に、講談はおすすめだよ。
 伝統芸能からなにを学ぶかは、自分自身の肌で感じてごらん。

 ってなわけで、今年の締めくくりは‥‥‥

   人生は 照る日 曇る日 風吹けど
   継続こそは 力とぞ知れ
   人よりも 辛抱強く 汗を出せ
   忍ぶ心が 君を磨かん

 さーて、残った人生、きちんと使い切らなくちゃね。
 来年もよろしく!

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(参考リンク)

講談協会公式サイト・パパン
http://mp777.com/papan/main.html
講談協会会員のスケジュールが掲載されています。安達オススメの講釈師は貞水・貞心・琴調。観に行って、絶対に損はない!

国本武春公式サイト・うなるカリスマ!! 国本武春
http://homepage2.nifty.com/ts-sonic/
浪曲界の風雲児、シャミーマンとしても名が高い天才浪曲師・国本。来年7月には米国留学してしまうから、観るならお早く! 公演情報あり。

落語芸術協会公式サイト
http://www.rakugo-geikyo.or.jp/

落語協会公式サイト
http://www.rakugo-kyokai.or.jp/html/index.html

星企画ウェブサイト・円楽一門の公演プロデュース会社のサイト
http://www.hosikikaku.co.jp/index.html

地球も最後ナムアミダブツ・立川談志率いる立川流の公式サイト
http://www.danshi.co.jp/topics.htm

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135778HIT。ありがとうございます。

色んな役をできるから演技はおもしろい
  Date: 2002-08-01 (Thu)

 勝田声優学院・夏の基礎講座(サマースクール)が始まった。今回も私はフリートーク入門として、1コマを教えている。
 そこで、こんなフリートークをした女の子がいた。
「こうして聞いてもらえばわかるとおり、私は声が低い。だから、男の子役をやっていきたい」
 確かに彼女の声は高くない。しかし、低いというほどでもない。個性的なボーイッシュ・ボイスというより、本人の喋り方そのものの問題で、男の子っぽく聞こえてしまっているのである。
 私は彼女に「君の声は、女性を全くできないわけじゃないよ。ちょっとハスキーがかってるから、アテレコでは、大人の女性役もできると思う。まだ勉強を始める前から、自分で自分を決め付けないほうがいいよ」と指導をした。

 自分で自分を決め付ける志望者。
 ひじょうに多いケースである。
 たとえば、将来的な進路として、「アニメ中心に展開していきたい」とか「アテレコ中心に」や「ナレーション中心に」というのがハッキリしているのはいいが、役柄を自分自身で決め付けるのはなあ‥‥‥
 役柄の向き不向きというのは、養成段階であれば講師が、実際の製作であれば演出や監督が判断するものだ。
 とはいえ、判断するといっても、それが絶対ではない。「その作品においては」「今回の演出においては」という条件があった上での判断であり、毎回がそうなるわけではないのである。
 だから、私は、養成段階では色々な役をやらせようと考える。「私は老け役が合う」と思い込んでいる子が、実は若い役もイケていたりする例は多い。なにはともあれ、やってみろ、と。やってみなけりゃわからないもんだよ、と。

 その他、講師や演出に決めつけられてしまって、それを自分で信じ込んでしまっているという不幸なケースもある。

 19期のナミヘーは、以前、所属していたアマチュア劇団の演出家に「おまえは暗すぎるんだ。おもしろくなれ」と言われた過去があって、なんでもかんでも、おもしろくしようとばかりしていた。
 私はナミヘーに「無理はしなくてもいいから、やりたいようにやりなさい」と言った。ナミヘーは「でも、そうしたら、スゴク暗くなりますよ」と。私は「それでかまわないから」。
 それから一時期、ナミヘーは暗ぁ〜いエチュードばかり連発したが、しばらくすると、落ち着いた。本人いわく「やり尽くして、楽になりました」。以来、ナミヘーのエチュードは、とてもバランスのとれたものとなった。
 ま、ナミヘーのケースは軽症だったし、ナミヘー自身が演劇感覚の優れた子だったから早く立ち直った。

 ナミヘーよりも症状が重かったのは、カオリという子のケースだ。彼女は勝田生でもバンタン生でもない。桜塾のセミナーで出会い、サークル的に短期間だけ指導をした。
 カオリの場合、「ああ、これはそういう扱いを受けやすいな」というのが、とてもハッキリしていた。彼女は、ひじょうにダイナミックなのだ。発想も面白いし、演技にパンチ力がある。まあ、ほとんどの講師や演出は、彼女のダイナミックさを活かそうと思うだろう。
 問題は、彼女はそういう扱いしか受けてこなかったことにあった。スラップスティックなコメディエンヌとしてしか扱われてこなかったし、それ以外の面を伸ばそうという講師や演出に当たったことがないのだ。当然のように本人も、自分はドタバタしたコメディしか出来ないと思い込んでいたし、女優として「女性」を演ずるのは苦手だと思っていた。
 私は、そんなカオリに「だいじょうぶ」を連発した。彼女の問題は、今まで女優としての面を求められてこなかったことであって、その面を指導すればいいだけだという自信があったからだ。
 指導期間そのものは3ヶ月程度という短さであったが、彼女は真面目に課題をこなし、そして、ストレートプレイをできる女優としての可能性をしっかりと切り拓いた。
 今のカオリは、ダイナミックなコメディも出来れば、ストレートプレイの緻密な演技もいける、ということである。

 そもそも、色んな役をこなすから、役者はおもしろいんじゃないのかな?
 いつもいつも、決まったイメージの役ばかりで固定されてしまったら、役者としてのおもしろさをかなりスポイルされてしまう。

 志望者諸君、だいじょうぶだよ。
 役なんてものは、やってみなけりゃわからない。
 ある役が無理かどうかは、やってみるまではわからない。
 自分自身で思い込まずに、色んな役にチャレンジしてみよう。
 たとえ、今の講師や演出に決め付けられていたとしても、チャンスがあればいつでも違うイメージの役に挑戦しよう。

男子もがんばれ、女子もがんばれ!
  Date: 2002-07-27 (Sat)

 先日、久々にこのコーナーを更新したのだが、芝居関連の話をしてほしいとのリクエストを受けた。
 ‥‥‥ので、する。


 どこの養成所でも困っていることというのがある。
 それは男子生徒のレベルの低さだ。
 これには、どこの養成所も本当に困っている。ある講師は「なんで、声優(俳優)になりたいなんて思っちゃったんだろうねって男の子、多いよねえ」と苦笑していたぐらい多い。
 男子には「できる子」というのが、本当に少ない。
 理由は簡単だ。男子は、女子に比べて音感が悪い子が多いのである。

 これは生徒たちとカラオケに行けば、すぐにわかる。
 女子には音痴がめったにいない。全然いないというわけではないが、聴くのが苦痛というほどの子には会ったことがない。7割は歌がマトモに唄えるし、まあまあ上手い。
 女子に比べて、男子は音痴が多い。8割が音痴といっても過言ではない。1割の確率でジャイアンのごとき、偉大な音痴がいる。
 音がずれたまま唄い続けるのは序の口。音がずれてるのに気が付いてさえいないのだから、自分が上手いと思い込んで唄い続ける。高音や低音が出ていないのにも気付かず、調子っ外れの歌を聴かされ続けると、殺意を覚えることもある。
 芝居と音感は、イコールの才能ではない。しかし、我々は経験則で関連性があるのを知っている。
 音感が優れている=演技が優れているにはならないのだが、
 音感が悪い=演技が下手というのは、かなり高い確率で当てはまるのだ。

 勝田は各期毎に出来不出来があるのだが、そこにはある種の法則がある。
 男子がシッカリしている期は、全体的なレベルが高くなる法則。
 男子に上手な子が3人以上いる期は、女子のレベルも急成長する法則。
 逆に言えば、男子がだらしない期は全体的なレベルも低いし、男子に上手な子がいない期は女子のレベルもあまり高くならない。
 基礎科や研究科の女子生徒から「うちのクラス、パッとしないんですよ」といった相談を受ける時、そのクラスには実力が伴ったリーダー格の男子が存在しないことが多い。
 いや、リーダーぶる奴はいるんだよ、ぶってる奴はね。が、実力が伴っていないから、空回りするだけなのである。
 男子がシッカリしていると、女子も女性らしく振舞える。だから、クラス全体の雰囲気が良くなり、協力体制もよくなる。
 しかし、男子がだらしないと、女子がキーキーと頑張らなくてはならない。女子がキーキーしていると男子は引く。すると、女子は余計にキーキーギャースカギャースカやらねばならなくなり、いつしかギスギスした雰囲気となり、協力体制もガタガタとなる。
 本当に、男子には頑張って欲しい。しっかりしてくれ。頑張ってるとアピールなどせずともよいから、レッスンの中で「ああ、頑張ってるな。負けないぞ」と同期に思わせるだけのものを出せるようになってほしい。
 特に気をつけて欲しいのは、ベラベラ口ばっかり動かして評論家ヅラしないこと。やりゃあいいんだよ、やりゃあ。俳優・声優の養成所はあっても、評論家の養成所はない。演出ぶりたいというなら、辛く苦しい演出助手からやれ。演劇学概論すら知らずに、演劇をわかったような顔してるんじゃない。だいたい、5年や10年で至れる領域なんざ、たかが知れてるんだ。恥を知れ。

 なんか、男子生徒に対する苦言ばかりになってしまったが、女子生徒にも問題はある。
 女子生徒にはそれなりにできる子が多い。男子に比べれば、7割に将来性はあるといっても過言ではない。
 しかし、女子には継続性がない。
 いい“種”はもっているのに、継続して努力できる子が本当に少ないのである。
 昔の少女マンガみたいに、
平凡な女の子「なんで、私みたいにドジでオッチョコチョイな私なんか?」
学校で一番モテる男「今のままのキミが好きなんだよ」
 ‥‥‥なんてことは、我々の業界にはナイ。絶対にナイッッッッッッ!
 数日の努力ならできるが、数ヶ月にわたる努力ができない。
 数ヶ月にわたる努力はできても、数年がかりの努力はできない。
 それは男子の大部分もそうなのだが、女子の場合、それなりにできるのだから、余計にもったいないのである。

 男子諸君。女子の数百倍ガンバレ!
 女子諸君。努力は継続あってこそ。ガンバレ!

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