標準アクセントを身につけよ
 早い段階で「上京しろ」といったのには、現実的な理由がある。それを説明しよう。
 マスコミ仕事のプロ役者を目指すのであれば、標準アクセントが完全に身についていなければ駄目である。
 これは関西圏の人たちにしてみると、屈辱的なことと思えるかもしれない。しかし、標準アクセントを身につけていないプロ役者など存在しないのである(赤井某というのはタレントであって役者ではない)。
 そして、声優ビジネスを志そうと思うのであれば、標準アクセントは当然すぎるほど当然のことと認知しなければならない。

 関西圏に住んでいる君に問おう。君は、関西で生活しながら、その全てを標準アクセントで過ごすことなどできるかね? そんなことをしようものなら、友人や知人に「気色悪い!」と罵倒されはしないかね?

 アクセントとは、習慣が大きいのだ。日常生活から変えようとしない限り、正しい標準アクセントは身につかない。
 そして、関東以外の地方で、専門学校系やプロダクション系の養成所に通っている君にも聞こう。その養成所の講師は、東京でマスコミ仕事の第一線において活躍していますか?
 東京以外の地方にも、優秀な役者がいるのは認める。だが、マスコミ仕事のことは、マスコミ仕事をやっている人間でなければわからないものなのである。
 声優の仕事でいえば、99%は東京のスタジオで制作されている。つまり、東京にいなければ、第一線に立ってマスコミ仕事をするなんてことは不可能なのだ。

 私が聞いた話でもっとも驚いてしまったのは、関西で養成所の講師をやっている人の言葉である。関西では優秀な舞台役者として通っているらしいのだが、声優養成所の講師というのに「アクセントや滑舌はどうでもいいから」と明言しているというのだ。

 とんでもないことである。開いた口が塞がらないとはこのことだ。

 これが凄まじき暴言であることは、その養成所の関西校からは誰ひとりとしてプロデビューした若手がいないことが証明している。
 今、養成所に通っている君が、どんな講師に教わっているかは、私にはわからない。だが、ここでひとつ絶対の真理を教えておこう。
 標準アクセントが身についていない声優なんてドコにもいない。標準アクセントを身につけるとは、常識中の常識なのである。その常識を認識していない講師を信じてたって、声優デビューなど絶対にできない。
 標準アクセントについては、プロの講師について教わるしかない。独学は不可能に近い。特に中部以西には、鼻濁音や無声音がないから、自分のアクセントの何が間違っているかもわからないまま何年も勉強してる不幸な志望者が多いものだ。
 本当に、声優ビジネスをやれるプロ役者になりたいというのであれば、早いうちに上京した上で、滑舌とアクセントにうるさい講師につくことが大事なのである。



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