2000/4/30 (日) ■□■□■ 私という存在 ■□■□■
「勝田よりもバンタンの方が大事なんですか? 私たちは見捨てられてしまったのでしょうか」といった内容のメールを、勝田生からもらった。
あー、もうっ! なんで、そうなっちゃうんだよぉ〜!
情けなくて、涙が出てくるよ、私は。
あのね、勝田というのは、私にとって母校なわけ。勝田生というのは、どんなヤツであっても、私にしてみれば後輩なんだ。
勝田先生は、私にとっては師匠なんだよ。師匠を裏切れるわけないだろぉ!
もし、勝田先生がいなければ、勝田声優学院もないし、野沢雅子さんにも会えなかったんだ。
いわば、勝田とは、私の故郷なんだよ。
勝田ってのは業界の名門だ。
卒業生のひとりである私にしてみれば、今の勝田生の現状が情けなくてしかたがないのである。OBである私にしてみれば、今の勝田の状態ってのは、ぬるま湯もいいところだ。
これが勝田か? 違うね! 私の知っている勝田は、こんな甘ったれた空間じゃなかったよ。
かっての勝田では、ヘタクソに発言権なんかなかった。ヘタクソはデカい顔をできないシビアな空間。それが勝田だったんだ。
腹式呼吸さえまともにできないヤツは、役者のタマゴを名乗ることさえ許さない雰囲気を、生徒たちでつくりあげていたのが、私の卒業した勝田なんだよ。
おまえらのうち、いったい何人が腹式呼吸をまともにできるってんだ?
今や本業は作家である私よりも酷い発声のくせして、なにが役者のタマゴだ。
そんな連中が、舞台をやりたいだと?
滑舌から逃げ回っている怠け者が舞台をやりたいだと?
てめぇら、どいつもこいつも舞台をナメるんじゃねぇ!
寝言は寝ている時だけにしろよ!
前にも書いたが、バンタン電脳の生徒たちは、全体的に勝田生よりもレベルは低い。
だが、少なくとも、あいつらは私に、指導したことを後悔はさせないんだ。
この意味、わかるか?
勝田生諸君、お願いだから、目を覚ましてくれ。
好かれているだの、嫌われているだの、お気に入りだのなんだのみたいな低次元なレベルで、真面目な努力ってやつを軽んじるな。
スタートラインは、みんな、同じ。
つまり、どいつもこいつも自滅してるだけなんだよ。
目の前の楽しいことに惑わされて、今やらねばならぬ苦労や努力から逃げ出した結果としての自滅なんだ。
今からでも遅くない。目を覚ませ。
目を覚まして、冷静に考えろ。
バンタン電脳では、私が本講義で年120時間以上、土曜クラスを併せると年200時間以上を教える。
科学的なフィジカル・トレーニングを、あの君塚さんが年120時間以上も教える。
業界で一番の滑舌トレーニング・カリキュラムをもった劇団ムーンライトの幹部3人が年60時間以上も滑舌を教える。
そして、ボイス・トレーナーが、これまた100時間以上も発声を教える。
そして、年150時間以上を、自習と復習のために教室開放するんだぞ。
年間500時間以上も芝居を勉強するチャンスを与えられた連中に、今の勝田生のダラダラした考えで勝てると思っているのか、おい?
今のまんまの甘ったれた考えで、私のつくったこのカリキュラムをやり抜いてきた連中に勝てるつもりなのかよ、おい?
ここでハッキリいっておくぞ。
私は勝田生だから可愛いとか、バンタン電脳生だから可愛いなんていうバカなことは、一瞬であっても考えたことはない。
私の目の前にいる生徒は、みな同じなんだよ。大事なことは、本人がどれだけ真剣かどうかなんだ。
今も昔も、私にとって大事なのは、真剣なヤツであり、本気のヤツだけなんだ。
勝田生でもバンタン生でも、よく覚えておいてほしい。
私は、諸君が必要であれば存在する。諸君が必要としなければ消えるだけの存在なんだ。
もし、私の心が勝田から離れているように思えたなら、それは勝田生が私を必要としていないからだ。
もし、私の心がバンタンから離れているように思えたなら、それはバンタン生が私を必要としていないからだ。
もし、私の心が勝田からもバンタンからも離れているように思えたなら、それは私が声優養成の現場から必要とされていないからだ。
私は、必要とされているから、そこにいるだけの存在なのである。
俺が捨てるんじゃねぇ。
おめぇらが俺を捨ててるんだよ。
もし、君から私が離れていくように思えたなら、それは君が私を捨てただけのことだ。
私を必要としない場所に、わざわざしがみつく理由がドコにあるってんだ?
私を必要としない人間に、わざわざ追いすがる理由がドコにあるってんだ?
確実に言えることはひとつ。
今、私をいちばん必要としているのは、バンタン電脳生だ。
そのことを実感させてくれるのは、母校・勝田の後輩たちではなく、バンタン電脳生たちなんだよ。
わかるか? 私の複雑な気持ちが!
辛く苦しい修業から逃げ出したいってんなら、一生、遊んでやがれ。
稽古なんぞそっちのけで、愉快な仲間たちと遊び狂ってりゃいいだろうが。
発声ダメ、滑舌ダメ、解釈力チャランポランなまんまでどうにかなると思ってるんだったら、稽古よりも遊びを優先すりゃいいじゃん。
私の指導を受けるのがイヤ、厳しいのがイヤ、怖いのはイヤ、注意もされたくないってんなら、サッサと私の前から消えろよ。
どうせ、おまえらの人生なんだ。俺には関係ないね。勝手にやってろ、バーカ。
そうやって遊んで遊んで遊び狂い、プロになれるわけもなくチャンチャン♪
数年後、そんじょそこいらの素人相手に「昔、芝居をやってまして」な〜んてマヌケ丸出しな自慢話でもやってりゃいいじゃねぇか。
そうやって、私とは一切関係のない次元でオモシロおかしく人生を送ってくれ。どーぞ、どーぞ。止めないよ、私は。どーぞ、どーぞ!
私は、他人の金と人生の無駄遣いには付き合いきれないだけ。それが冷たいとでもいいたいのか、諸君は?
もう一度言うぞ。
私は、必要とされなければ存在しない。
この意味をよく考えておけ。
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2000/4/29 (土)
■□■□■ イヤな季節だねえ ■□■□■
作家というと、家に閉じこもって「うーん」と考え込んでいるイメージがある。
現実は、そんなことはない。
たとえば、最近の私のスケジュールを平均してみると、週に3〜4回以上は外出している。
するってぇと、見たくなくても見ちゃうものがあるんだよね。
最近の私がいちばん見たくないもの。
それは新歓コンパだかなんだか知らないが、繁華街でバカ騒ぎしている大学生の群というやつだ。
道ばたでギャーギャー騒いでいるのを見るだけでムカつくんだから、同じ店内にいようものなら、不快度120%増しである。
迷惑なんだよ、あのクソガキどもは。
今夜なんか、トイレの扉を開け放して、トイレの内と外とでワーワーやってる泥酔バカ娘2人組がいたものだから、思わず大声で注意してしまった。
「トイレの戸ぐらい閉めろ、バカ! シツケが悪いな、ったく! どんな親が育てたんだ!」
ただ、うるさいってだけなら、ヤング・サラリーマン軍団も同様なのだが、大学生集団を見てると不愉快になるのには、もうひとつ理由がある。
それは「このクソガキ集団の中に、私の生徒がひとりでもいたら?」。
あー、もう! 今、ちょっと想像しただけでも逆上するね、私は。
声優志望者からよく受ける質問のひとつに「大学に通いながら勉強するのは可能でしょうか」というのがある。
以前の私は「だいじょうぶですよ。大学の勉強と、声優の修業を両立させてプロになった人は沢山いますから」と答えていた。
また、高校生の志望者には「なるべく大学に行きなさい」と言っていた。
が、今はこの答を出すのに躊躇している。
勝田声優学院の場合でいえば、在校生の30%が大学生、30%がフリーター、20%が社会人、高校生が10%、残りその他という構成だ。
すると、大学生の生徒の傾向というのが見えてくる。
大学生が30人いたなら、そのうち2割にあたる6人ぐらいは真面目だ。しかし、残りの24人は不真面目なのである。
これは単純に本人次第だ。
しかし、どうも、私は本人次第とだけはいえない側面もあるように思えてならなくなってきているのである。
たとえば、17期9月生だったちしゃ猫クンの場合、最初の1年は意識が甘くて使い物にならなかった。彼女の場合、1年がかりで意識を切り替えねばならなかったというわけだ。
私は顔を会わせる度にうるさく「本気でやれ!」とハッパをかけていたわけだが、近頃、そういう気持ちが薄れてきたんだよね。
なんかね、もー、どーでもよくなってきちゃったわけ。
なんでかってゆーと、だ。大学生の置かれている立場ってものを考えてみたのである。
今や、大学には卒論のないところまである。要するに勉学する場じゃないんだよな。同じ世代の連中を集めて、4年間、遊ばせてやるだけの遊園地みたいなものだ。
遊園地にいるのに「遊ぶな」ってのは、そりゃ酷だよね。
動物園に行って、「動物を見るな」というのと同じようなものだ。
またはトイレに「大小便禁止」と張り紙がしてあるようなもの。
つまり、私は無茶や無理を言っていることを自覚したというわけなのである。
しかも、大学には「言い訳」を考えてくれる、ありがたーい他人が山ほどいる。
たとえば、「役者を目指しています」といって修業をやろうとすると、「役者やるんだったら、人間としての幅を広げるために遊ばなきゃ」という、もっともらしい言い訳を与えてくれるヤツがいるのだ。
人間は生物だ。生物にとって、いちばん大事なプログラムとは「死なないこと」。つまり、痛みや苦しみからは逃げるよう本能的なプログラムがなされている。
自分で言い訳をつくれない人間は、この本能的プログラムに従って、他人のつくってくれた言い訳を都合良く利用して、苦痛や苦労から逃げ出すというわけである。
バカだよね、ホント。おめー、その言い訳をいってくれたのは、ドコの誰なのか、冷静に考えろってんだ。
そいつはプロなのか、おい? プロとして業界で食ってるのかよ、こら?
プロってのは、本能的プログラムを組み伏せるだけの意志の強さを持つことが、全てに優先される第一条件なのだ。
で、この4月から私は心に決めた。
以前から私は、本気じゃないヤツ、真剣じゃないヤツに対して冷たかったが、
これからは「その存在すら認知しない」ことにしたのである。
つまり、私の目には見えないの。だってさー、「消えろ」ってぇのに消えてくれないんだもん。だったら、私が見ないことにしてしまうのが一番でしょーが。
どんなに子どもが苦手な人であったとしても、子どもが生まれた瞬間から、町中のいたるところに子どもを発見できるようになるという。
同じく、私も、生徒の中に大学生が多いから、町中を歩いていると大学生がやたらと目につくのだ。
わかるかなぁ、この気持ち?
コンビニに行けばアルバイトの店員に自分の生徒を重ね合わせ、
大学生を見れば、やはり自分の生徒と重ね合わせてしまう、この気持ち。
でも、どうせ、わかんねーんだよな。どいつもこいつも。講師のこんな気持ちはさ。
ま、勝手にしてくれや、もう。
プロ俳優になりたいと願う、自分の気持ちすら裏切るバカを相手するほどヒマじゃねぇんだよ、私は。
そんなヒマがあるんなら、1分でも1秒でも長く寝たいんだよ、私は。バカのために自分の人生を削るのは真っ平御免だね。
正直に言っちゃおうっと。
バンタン電脳声優科の生徒は、勝田の水準と比べると、現時点では負けているよ。
でもな、真剣度では負けないぜ。いや、確実に勝ってるね。私が怖いのなんのと言って逃げ回り、言い訳ばっかの平均的勝田生にはね。
下手でも、一所懸命努力してりゃ怒らないだろ、私は。
下手でも、何を表現したいのか頑張っている気持ちを酌み取ろうとするだろ、私は。
テキトーにダラダラやってる連中まで、相手したくないんだよ、正直言ってさ。
心配だから注意してるのも、気がかりだから声をかけてやっているのもわかんねー連中を、
いつまでも相手すると思っていたら甘いんだよ、バーカ。
私に叱られたくない、注意されたくないってんなら、消えろ。頼むから。
どーせ、プロとして業界に残れやしねぇんだからよ!
これからは、消えてくれないんなら、私が見なくなるだけ。
私が変わったのは、いや、私を変えたのは、他ならぬおまえらだと、よく心しておけ。
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2000/4/25 (火) □■□■□ バンタン電脳情報学院 声優科 生徒たちのこと □■□■□
前からチョコチョコと書いていたり、こないだは合宿をやったことから、ここを覗く志望者たちのバンタン電脳情報学院声優科に対する関心が高くなってきているようだ。
まあ、私のそばにいる弟子や生徒たちだったら、私がこーゆーのをやり始めたならば、とにもかくにも徹底するマキャベリストなのは知っているからだろうね。
笑っちゃったのはターバンの反応。
私からバンタン電脳声優科のハナシを聞く度に「やめましょーよー! そんなライバルつくらんでください」と懇願されてきた。
最近、やってくるメールにも「バンタン電脳のほうはいかがですか?」なんてのが、チラチラとある。
まあ、勝田生にしてみれば、気になるところなんだろうなあ。
バンタン電脳情報学院声優科の生徒たちを一言でいうなら『十人十色』。
人数もちょうど10人だしね。
大きく傾向を分けると、
まず、他の専門学校声優科や附属養成所から流れてきた生徒たち。
この子たちの受講態度は真面目そのもの。
だって、意識が高いもん。限られた時間の中で、次のステップを見据えて頑張る覚悟がある。
私は、こういう連中に弱いんだよな。自分を追い込んで懸命にやってる奴を見ると、私まで燃えてくるんだよ。
半年もしないうちに、勝田生の上位陣に匹敵するレベルには追いつけるんじゃないかな。本人たちが、今の高い意識を持続させられれば、って条件だけどね。
次に、演劇を通して『自分探し』をしようとしている生徒たち。
勝田の17期や18期の生徒なら知っているように、私の教え方の基本は「おまえらはヘタクソで当たり前。失敗を恐れるな」だ。
なんか、これが受けちゃったみたい。
確かに、演劇というプレイの中には、カウンセリング効果はある。でも、私がそういう指導に向いているかどうかは、今まで考えたこともなかった。
なんにしても、やるしかないんだけどね。正解のない世界で、努力に努力を重ねることってのは、ひじょうに大事なことだし。
そして、アニメ・ファン、声優ファンの延長線上で来た子たち。
この子たちのために、先日の合宿はあったようなものだ。
ふやけた意識を完全に切り替えさせ、頑張ることの苦しさと楽しさを同時に味あわせる。
効果は……バッチリでしょう。
ハッキリ言ってしまえば、入学時におけるバンタン電脳声優科の生徒たちのレベルは、そんじょそこいらにある専門学校声優科の生徒たちとあまり変わらなかった。
が、合宿期間中に、意識の点で他校のレベルは追い抜きさった。
よーするに、だ。
私が大事にしたいのは、人生を丸ごと、芝居に捧げられるかどうかなのである。
この意識をもてたならば、もう、他校の生徒たちの9割を追い抜けたも同然なのだ。
どんな変化を見せたかの一例を挙げよう。
合宿期間中は、食事まで私がしっかりとチェックしていた。
口の中に食べ物を入れたままで喋らないというお行儀のチェックから始まり、
配膳や片付けなどを自主的にやれるかどうかという自立心のチェック、
そして、好き嫌いの克服である。
最初、女子生徒たちは、ちゃんと食事をしないで、お菓子ばっかり食ってやがったんだよね。ごはんを残してお菓子を食うなんてこと、私には絶対に許せない。
行儀や礼儀といった問題もさることながら、役者にとっての食事とは身体づくりのためのものでもあるのだ。
2日めの夕食時、私は宣言した。
「これより、お菓子は全面禁止! 飲み物もお茶かスポーツドリンクのみ! どんなに素晴らしいトレーニングを教えてもらったって、君たちの食生活がムチャクチャでは、役者としての身体づくりなんておぼつかないんだよ」
みんな、従ったよ。お世辞にも美味しいとはいえない合宿所の食事を、努力して食べるようになった。4日めの朝食なんて、私の分のおかわりがなくなるほど、しっかり食べてくれるようになった。
いったい何を食べて生きているんだってほど偏食の激しい子は、おかずトレードによって自分の食べられる数少ないおかずを集め、なんとか食事をしようと頑張り始めた。
こんなもん、なんてことないと思うだろ?
でもね、これが大事なことなんだよ。
まずは自分のできることから始める。これが人間にとって、いちばん大切なんだ。
できることを積み重ねていきながら、徐々にステップアップをしていけばいい。
私は基礎を最重要視する。その理由はここにあるんだよ。基礎ってのは、誰でもできるようになって当たり前。なのに、みんな、基礎をないがしろにする。
それじゃ駄目なんだよ。できることなんだからこそ、完全にしなくちゃ。
つまり、バンタン電脳声優科の子たちは、こんな生活面からも基礎を求められているってこと。
私に教わったことのある勝田生ならわかるだろう。私が、まず、求めるのは意識の高さなんだよ。
高い意識によってのみ成し得る必然的結果というのがある。俳優修業ってのは、そこから始まるんだ。
というわけで、勝田生諸君、ぜひとも2001年2月に予定されているバンタン・フェスティバルに来てくれ。
たった1年間であっても、高い意識をもった人間に基礎を徹底させたならば、いったいどんな結果が生まれるかを見せてあげるよ。
つまり、結論は……
バンタン電脳情報学院声優科の生徒たちは、私が真剣に講議をしてもだいじょうぶ、ということ。
この調子でいけば、秋頃には、私が本気で講議をやってもついてこられるようになるんじゃないかな。
勝田19期生諸君も遅れをとるなよ。
5月の第2週と第3週には、私が教えに行くんだからな。
名門勝田の名を継ぐにふさわしい基礎科であってくれ。
なにはともあれ、意識の点だけでは負けないでほしい。
意識の点で負けてしまった時点で、自滅は決定したのだと思いなさい。
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☆最近、毎日のように、夕方が近付くと頭が痛くなる。原因はわかっている。疲労によって、肩コリが酷くなっているのだ。背中、肩、首とバリバリに痛い。う〜。
2000/4/24 (月) ■□■□■ 幸運の女神に後ろ髪はない ■□■□■
先日のバンタン電脳情報学院声優科の合宿には、私の助手として勝田17期のちしゃ猫クンが参加していた。
実は、ちしゃ猫クンは第一候補ではなかった。
当初予定していた第1候補が、急遽、1週間前にキャンセル、
第2候補のエミコは、突然すぎてスケジュールが合わず、
で、第3候補としていたちしゃ猫クンのケータイに電話したところ……
私「まず、結論を出せ。行けるのか、行けないのか?」←我ながら強引だなあ〜。
ち「大学の講議が……」←ほぉ〜。芝居よりも大学が大事だってぇのか。
私「午後は私の助手だが、午前中は君塚さんの講議に3回も参加できるぞ」←ニンジンだよ♪
ち「行きます! 行かせてください!」←まんまと引っ掛かってやんのっ!
もし、ちしゃ猫クンがダメだった場合、第4、第5、第6……以降も候補はいた。
私の頭の中には、リストがある。
私の言葉を受け、努力に努力を重ねている生徒だけが、そのリストには記録されているのだ。
私は、小器用なだけの奴や、調子がいいだけの奴など、どうでもいい。
このリストに載せているメンバーは、地道に努力を重ねている奴だけだ。他の講師の評判や評価など一切関係ない。
で、このリストには順位がつけてあって、その順位ごとにチャンスを提供している。
今回のケースでいえば、ちしゃ猫クンは、見事、繰り上げ当選を果たしたってことになるわけだ。
「幸運の女神に後ろ髪はない」って言葉を、みんなは知っているかな?(「幸運の女神には前髪しかない」という言い方をすることもある)
幸運の女神が現れた時は、決断を急がねばならない。ちょっとでも躊躇していると、女神は後ろを向いてしまう。その後ろ姿を追い掛けようとしても、幸運の女神に後ろ髪はないからつかまえられないのである。
つまり、「チャンスを逃すな」という戒めの言葉だ。
ちしゃ猫クンは、今回の合宿に助手として参加したことにより、君塚さんの講議にフル参加できたばかりではなく、もうひとつ、願ってもない幸運まで手に入れた。
私は以前から、君塚さんと、その相棒である植草さんに「役者専門のフィットネス・トレーナーとスタジオをやれ! 日本初だぞ、日本初!」とけしかけていた。で、今回の合宿中、ついにふたりがその気になってくれたのである。
で、そっちの設立にも、ちしゃ猫クンは、お手伝いとして参加することになったのだ。ひとつの企画を成立させるのは大変である。が、その分、やりがいがあって、なによりも自分のためになること間違いなし。
お手伝いというのは、誰よりもふたりの身近にいるわけだから、いつでも質問ができるし、色々なアドバイスも受けられる。
これを幸運といわずして、なんという?
これでちしゃ猫クンは、次回の秋合宿でも助手決定だし、冬合宿でも助手を命ぜられることだろう。
帰途の電車で、ちしゃ猫クンがしみじみといった言葉は……
「ちゃんとやることって大事なんですねえ」
私がちしゃ猫クンと初めて会ったのは、一昨年の冬。
当時の彼女は、のほほんキャンパス・ライフと、勝田での修業をチャンポンにやっていた。
やるべき時にやってないから、基礎体力は小学生並。だから、発声はやたらとキンキンして震えていたし、満足に立つことすらできない。無論、ミザンスもぎこちない。
そこで私がつけたあだ名は『壊れたオモチャ』。
私は彼女にこう言った。
「おまえ、『壊れたオモチャ』のまんまでいいのか?
プロになりたいんだったら、まず、決意と覚悟をしろ。大学と勝田を、あっちフラフラこっちフラフラとやってるんじゃない! 楽な方向に逃げるな!」
それから、ちしゃ猫クンは変わった。
努力によって、彼女はリストの上位に食い込んできたのである。
幸運ってのは、突然、降ってわいてくるもんじゃない。
努力に努力を重ね、自分から招き寄せなければいけない。
そして、幸運の女神が近寄った時には、躊躇せずにその前髪を掴め!
で、おもしろいことには、幸運ってのは数珠つなぎになってるんだよね。今回のちしゃ猫クンみたいに。
つまり、幸運とは、自分が今までに積み重ねてきたものの総決算ということだ。
が、時には、幸運を幸運と思わず、みすみす見逃してしまう人というのもいる。
これはもう、本人が悪いとしかいいようがない。5秒考えれば出てくる正解を間違えたんだからね。
また、幸運の女神を自分で追い払う人というのもいる。幸運の女神ってさ、追い払われてしまうと、次に来るまで時間がかかるのになあ。
まずは、幸運の女神が来てくれるよう、努力に努力を重ねることだね。
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☆18期勝田生へ…
2000年5月より安達ジムがオープンするよ。今回も、基礎中の基礎である発声と滑舌から始まり、戯曲解釈術をやる。私にビシビシとしごかれたい人は参加しな。
☆18期勝田生へ…(その2)
選抜チームYoung! Young!は2000年度をもって終了します。つまり、今年が最後ってことだね。
で、2001年度からは、安達ゼミが新設される予定。4〜7月は発声と滑舌の見直しとエチュード、8月に合宿で戯曲解釈術、9〜12月は戯曲(所内発表)、1〜3月は附属養成所対策としてデモテープ制作その他。
勝田でいちばん厳しいゼミにすべくガンガンやってやるから、根性のある奴だけ参加しな。まがりなりにもYoung! Young!の流れをひくんだ。半端なクソガキなんざ、ひとりとしていらねぇよ。
2000/4/22 (土) ■□■□■ 合宿に行ってきたぞっ! ■□■□■
いやぁ〜、疲れた。ホント、疲れた。
昨日、バンタン電脳情報学院声優科の合宿から帰ってきたばかりなのである。
4/18からの三泊四日。トコトン芝居漬けの合宿であった。
(初日)
昼食を食べた後、13時から自己紹介……といっても、月並みの自己紹介ではない。3分間と時間を定めた自己PRだ。
15秒以上、時間を余らせてはいけないし、
15秒以上、時間をオーバーしてもいけない。
この手の自己PRは嫌がる人が多い。恥ずかしいとかなんとかいって。
チッチッチッ! 業界にいる限り、自己PRからは逃げられない。附属養成所の面接でもやるし、オーディションでも、イベントでも自己PRをやる。
で、この自己PRのコツは、慣れと構成なのだ。だから、全くの初心者であってもやらせるしかないのである。
いやぁ、盛り上がった。いかにみんながフリーで喋ることに慣れていないかが、よーくわかる。笑わせてもらったよ。
夜19:30からは、今後の進路について、だ。体験授業では伏せていた、実名を出しての「各プロダクション附属養成所の傾向と対策」。
こーゆーのって広言できないからね。みんな、実情を聞いてシーンとしてたな。あははは。
(2日目)
午前中は、君塚さんのフィジカル・トレーニング。
まず、最初に運動手順を講義。この日のメインはチューブ・トレーニングの基礎。
チューブ・トレーニングは、私からも要望していた。音がしない、スペースがいらない、自分の体力に合わせられる、事故がない。その上、チューブそのものが安い。
つまり、ビンボーな志望者にはぴったりの、どこでもできるトレーニング方法なのである。
午後は、私の講義。
エチュード「大好物を食べて、その美味しさを全身で表現。目の前にいる同伴者に、どうして好きかを説明する」。
バンタン電脳声優科第1期は、総勢10人しかいない。だから、エチュードにもたっぷりと時間をかけられる。ひとり3分から5分かけ、指導にも20分ぐらいかけられる。
バンタン電脳声優科の全体カリキュラムをプロデュースしたのは、私だ。
体練・発声・滑舌と、実力派の講師ばかりを集められた。そのおかげで私はエチュードとエモーションだけに集中して、ゆっくり&みっちりと教えられるのである。るんるん♪
夜も、私の講義。
エチュード「あなたです。あなたしかいないんです」という言葉を受けて、返答をする。『受け』のエチュードだ。
このエチュードは、状況、自分の演ずる役と台詞、前後の関係まで、自分で考える。全てを自分で表現して、観客にわからせなければならない。
初心者がやるには難しいものであるが、これもまた、慣れなのだ。ここで俳優に求められる「自らの内から生み出す」を徹底しないと、戯曲に移ってから講師(演出)の言いなりでしか動けない、自分の解釈を表現につなげられない俳優になってしまう。
なぜ、芝居がおもしろいか? それは俳優が自分の内から【創造】をするからだ。
このエチュードをたっぷりとやらせられるのだから、教えている方も楽しいのである
(3日目)
午前は君塚さんのフィジカル・トレーニング。
縄跳びでウォーミング・アップしてサーキット・トレーニング。その後、体力測定。
この日は声優グランプリの取材が来ていて、私はライターさんと話していた。が、体育館で撮影していたカメラマンさんは爆笑していたらしい。
そりゃそうだよね。いかにみんな、体力がないか。かなり珍妙な風景が連続していたらしい。
あー、見たかったなあ。
午後は、私の講義。
エチュード「悪人」という言葉からイメージされる人物を表現する。
このイメージ・エチュードも、状況からなにからなにまでを、自分で考える。
いやぁ、色々な悪人像があるものだなあ。
チーマー、万引き犯、二重人格を装って無罪になろうとする殺人犯、商工ローンの社長、児童虐待する母親……
このエチュードは夜まで続き、色んな悪人が続々と登場した。
これらのエチュードは、芝居のことだけで指導が入るわけではない。物事の捉え方、考え方というのも話す。
たとえば、育児ノイローゼから児童虐待する母親を演じた生徒には、こんな話もした。
「それ、悪人に見えないなあ。可哀相な人に見えるよ」
「え。でも、子どもに暴力を振るった時点で、私にしてみれば絶対的に悪なんですけど」
「うーん…… 結局ね、観る側が君たちよりも人生経験が豊富だった場合、そういう捉え方は『浅い』と思われちゃうんだよ。
たとえば、俺の場合。児童虐待が悪いとは思う。でも、その一方で育児ノイローゼに追い込まれてしまう母親の気持ちも理解できるんだ。すると、どうしても悪人とは思えなくなるんだな。
だから、芝居を構築しようという時は、自分の視点からだけではなく、観客はどう受け取るかまでを考えなくちゃダメなんだ。
それがプロの芝居ってものだよ」
夜、この合宿における唯一のレクリエーション「一芸大会」。
普通、この手の合宿では交流がメインとなる。「これから仲間。仲良くしましょうね」ってやつだ。
そーゆーのが私は大嫌いである。遊びの合宿だったら、私がつきあう意味など一切ない。そんなくっだらねーヒマがあるんなら、仕事をするよ、私は。
が、このレクリエーションは別。だって、みんなの前で、それまでの経験を披露するわけだからね。これまた、役者にとっては大事なこと。
いやぁ、色々といたよ。即興で似顔絵を描いたヤツ、殺陣、オペラの歌唱、8の字ドリブルなどなど…… かなり笑わせてもらった。
でも、最後に君塚さんと助手の植草さんが見せた、チア・リーディングの技のひとつが一番受けていたんだけどね。あははは。
(最終日)
午前はフィジカル・トレーニング。この日はチューブがメイン。
それから、リトミック体操の宿題を提出(?)。
他の学校では、ダンスというと、いきなりステップを踏み始める。ヲイヲイって感じだ。
ダンスには全身音感というのが必要となる。これを身につけないと、全くの初心者がダンスを踊れるようにはなかなかなれない。
そこでリズムにあわせて、四肢をバラバラに動かすリトミック体操によって、基本中の基本からやろうというのだ。
実は、バンタン電脳声優科には、他の養成所や専門学校で勉強したことがある生徒が3人ほどいる。
彼女らは、前にダンスを勉強したはずなんだけれども……できないんだよねえ、リトミック体操さえ。
何事も、基礎だよ、基礎。一歩一歩、着実に前進するしかないのだ。頑張れよ!
午後、解散……を予定変更。
教室を使えるというので、私の気まぐれによって、もう一発、エチュードをやることにした。これは生徒たちの真面目さに、私なりに応えたプレゼントとでもいうものである。
「笑わせる」または「笑われる」のシチュエーション・エチュード。
観客は君塚さんと助手の植草さん。このふたりを眠くさせないために頑張らなければならない。
結果は……君塚さんたち、最後まで起きていたよ。
いやぁ、それにしても、みんな、成長した。私の目論見、バッチリ大成功という感じ。
初日から比べると、みんな、かなり良くなった。全員、自分から前に出るようになったし、失敗を恐れなくなってきた。
舞台を立体的に使うこと、精神的&物理的距離感、動線の工夫、表情や目線、ミザンス、前を見て演ずるなどなど、芝居を始めたばかりとは思えないレベルには達した。
この調子で夏までエチュードばかりを続けていくつもりだ。
実は、この合宿には、掲示板でもお馴染みのちしゃ猫クンを私の助手としてつけていた。
ちしゃ猫クンいわく……
「私たちが2年目になってから教わることを、今から教わってるんですよね。みんな、こんな短期間で、すっごく良くなっているじゃないですか。怖いですよ」
私自身、手応えを感じたよ。
「イケる!」ってね。
ふざけた態度でやってる志望者は、どいつもこいつも吹っ飛ばす。基礎で怠けてるヤツなんか、目じゃないんだよ。怖くもなんともないね。
2年、3年やってて、ちょっとは芝居ができると思い始めた小天狗クンも同様。1年後を楽しみにしてな。
フヌケた3年よりも、真剣な1年の凄みってやつを徹底的に思い知らせてやる。
気分は、『巨人の星』で、中日ドラゴンズの監督となって、星 飛雄馬の前に立ちはだかった星 一徹だね。
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☆24600アクセス突破! ありがと♪ 来る6月23日の1周年までに30000アクセスいくかな?<そりゃ無理だろう。(^^;
☆バンタン電脳学院・声優科の生徒たちは、どの子も一所懸命。うんうん♪ 今の調子で真面目に頑張れば、そんじょそこいらの3年目の志望者なんぞ目じゃないレベルに上げてやるよん。(^-^)
2000/4/14 (金) ■□■□■ バンタン電脳情報学院 声優科 始動っっっ! ■□■□■
バンタン電脳 声優科の講師会に出席した。
いやー、ここまで来るのにイロイロとあったよ、ホントに。事務局の人間も、このHPを読んでいるからダークサイドは書けないけどさ(笑)。
それにしても、素晴らしい講師陣を揃えられたよ、うん。
まず、滑舌の講師は劇団ムーンライトの土井代表らをはじめとした幹部3人! 大女優・野沢雅子さんの元で10年以上やってきた3人だ。
今、日本でいちばん滑舌に対する意識が高いのは劇団ムーンライト。これはもう、間違いない。
また、滑舌だけの専門授業を成立させたのは、養成所や専門学校ではいまだかってないのである。
日本初だよ、日本初! いやー、いい響きだあ!
年間60時間以上、滑舌だけの授業があるんだぜぇぇぇ!
これ、ハッキリ言って自慢だよ。へっへっへ!
今日の講師会では「とにもかくにもガンガンやっちゃって〜!」とリクエストしておいた。
なにがなんでも、食らいついていけよ!>バンタン生。
この先、滑舌をミッチリやってもらう機会なんざ、ドコの附属養成所に行ったって、そうそうないんだからな。
そして、ヴォイス・トレーニングの講師、田中さん。この方は、友人の作曲家さんから紹介してもらった。
実は、初めて対面したんだけど……
いやぁ、さすが、音楽家が認める人だけある。私も演劇人としては、発声についてかなり詳しい方ではあるんだが、本家本元は違うわ。
すっごく柔軟な考え方の持ち主で、かつ、ひじょうに研究熱心。
今日の講師会では「腹式呼吸と喉を痛めない発声」をリクエストしておいた。
色んな方法でアプローチしてくれるだろうから、これまた、とことん食らいついていけよ!>バンタン生。
私の知っている限り、これだけ柔軟な姿勢をもったヴォイス・トレーナーってのは、そうそういないからな。
それから、フィジカル・トレーニング講師の君塚さん。
今日の講師会で、またも思い知ったんだけど、やっぱりこの方を誘ってよかった!
外郎売りの発展系で、お手玉をしながらの外郎売りってのがある。これ、18期の一部には教えたことがあるんだけど、ほとんどが途中で挫折したんだよな(笑)。
君塚さんは、前回のフィジカル・トレーニング・セミナーで、「縄跳びの二重跳びをできなかった参加者を、たった15分で全員できるようにした」って奇跡を起したんだけど、
今回は1時間以内に「全員がお手玉をできるようになる」って奇跡をおこしてくれるそうなのである!
お手玉外郎売りってのは、すっげー高度なテクニックなのである。普通、3ヶ月から半年はかかる。ところが君塚さんがいれば、それを数週間で可能ってことだ。(この凄さがわかるのは、演劇人でもごくごく一部なんだよなあ)
君塚さんについては、バンタン生は全員よく知っていることだろう。迷わずついていけばいいよ。
で、私は…… いつも通りだよ(笑)。
これだけのカリキュラムと講師をプロデュースしたんだ。
もはや、仕事の半分以上は終わったようなもの。
講議時間全てを芝居にだけ集中できるってのは、私にしてみると夢みたいなものだったんのである。
たとえば、150分の講議では、私は30分を発声に、60分を滑舌に、残りの60分を芝居にかけている。
それが、これだけ優秀な講師が集まってくれたおかげで、丸々180分を芝居にだけかけられるのだ。
演技の講師として、100時間超を純粋に芝居に使えるってのは、他の学校の2年分を教えられるってことだ。
この中で私は、1学期に相当する7月までを、ストレートナレーションと朗読、エモーションとエチュードだけ徹底する。
8月には、夏期集中講座として、解釈術を仕込む。で、9月からは長篇戯曲をやり、2月には発表である。
その間に、4月に3泊4日の春合宿、9月に4泊5日の秋合宿、1月に4泊5日の冬合宿まである。
「これが1年目の志望者か?」ってレベルの発表を、しっかりと見せつけてやるよ。
発声、滑舌、体練が独立した上で、各々を私が惚れ込んだプロが指導してくれるんだ。
こりゃ、もう、そこらへんの1年目の志望者なんか比べ物にならないレベルにならなくちゃ嘘でしょう。
日本で一番レベルが高い専門学校声優科にしてみせるよ。その自信があるね。
おまえらは気合いと覚悟と根性で、ひたすら食らいついてくればいい。絶対に後悔はさせないよ>バンタン生
それにしても、バンタン電脳情報学院の事務局も、よくぞ、ここまで私のワガママにつきあってくれた。
まあ、途中、波風はけっこうあったけどね(笑)。
が、ここまで来たからこそ、言える。
「ありがとう。あとは任せておいてくれ。私の主張が真実かどうかは、これから証明してみせる」
バンタン電脳の理解がなかったら、この質実剛健そのもののカリキュラムは絶対に実現不可能だった。
まさしく英断であり、ある意味、ギャンブルでもあったことだろう。
その誠意に、私は生徒たちを見事に育て上げることによって応えることを約束する。
今はひじょうに実験的な試みに見えるかもしれないが、このやり方で育てた生徒たちは、他の専門学校声優科の出身者たちと、確実に一線を画す。
5年後を楽しみにしてほしい。
声優界のモンスター・ファクトリーにしてみせるよ。
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☆23400アクセス突破! ありがと♪
☆新コンテンツ『GEISTERS LINER NOTES』を追加。まだ、なんにも載せてないけど、これから書いていくんでよろしく♪
☆新コンテンツ『キミの役者度診断』『激辛! キミは声優になれるか?』をつくったんだけど…ありゃ、ちゃんと作動しないなあ。今週中に正常作動するよう、名村クンが頑張ってくれる予定なのでお待ちください(笑)。
2000/4/13 (木) ■□■□■ コスプレ&おっかけ禁止令 ■□■□■
このタイトルを見てビクッとした人、いるんじゃないのぉ?
以前から私は何度も書いている。
「声優になろうと思った動機は、アニメ・ファンや声優ファンの延長線上でもかまわないが、実際に修業を始めたならば、そんな意識じゃダメだぞ」と。
その実例というか、恐怖の実話を今回は紹介しよう。
コスプレ……流行ってるみたいだねえ。
コスプレをやっている人を、コスプレイヤーっていうんだってね。
もし、声優を志望している君が、今も現役のコスプレイヤーだったら、即刻、やめなさい。
実話なんだけれども……
某養成所で、在学生対象のオーディションの話があった。
何人かがピックアップされて、さて、このうち、何人をオーディションに出そうかという話し合いの時、
「ああ、このAって子、コスプレとかやってるらしいですよ」
ハイ。この時点でAはオーディションから落とされた。
違う某養成所では、ジュニアとしてプロダクションに残ったBという女の子の、コスプレ写真が雑誌に掲載されたという事件があった。
ハイ。この時点で、Bはジュニアから外された(つまり、プロダクション追放ね)。
この手のハナシは、昔からあるんだよ。
声優のおっかけをやって、スタジオ待ちしていたところを講師に見つかり、退学処分されてしまったり、
アニメ・イベントでワーワーやってるところをマネージャーが覚えていて、進級させてもらえなかったり……
特に、今の時代は望遠レンズや赤外線ビデオで盗撮した、ちょっとHなコスプレ写真やビデオが巷に溢れているからね。
プロダクションにしてみれば、あとあとのトラブルが怖いから、どうしても慎重な態度をとらざるをえないのである。
コスプレをやっている人にしてみれば、たかがコスプレにそこまで目くじらをたてなくても、と思うことだろう。
遊びや趣味なんだから、大目に見て欲しい、なぜ、そこまで忌み嫌われなければならないのか、と。
ハッキリいってしまおう。
業界人のほとんどは、度が過ぎるマニアを避ける。
中でもコスプレイヤーと声優のおっかけは、蛇蝎のごとく毛嫌いされているといっても過言ではない。
ちなみに、私も嫌いだよ。
要するにミーハーってことだからね(進級不可にはしないけどさ)。
コスプレ衣装を制作している時間、コミケやダンパに行く時間があるなら、その時間を練習に費やせばいい。
だって、コスプレ衣装の制作って3時間ぐらいはかかるでしょ? 会場の往復だって3時間はかかるよね。会場の中で遊ぶんだって3時間はあるはず。
なんだかんだで合計10時間もあるんだよ。10時間もあったなら、外郎売りを100回はできるし、2時間の台本なら声を出しながら5回は読み通せる。
芝居以上に大事な趣味や遊びがあるというなら、その人は絶対に芝居が上手くなるわけなんてないのだ。
特にコスプレやおっかけは「本人が声優となることに本気じゃない、真剣じゃない」と思われがちな趣味や遊びなのである。
コスプレをやって何が楽しいのかは、私にはサッパリわからない。
キャラになりきると気分がいいのかな?
仲間内から、キャラの名前で呼ばれるのが楽しいの?
見ず知らずの他人から写真を撮られるのが楽しい?
それとも、周囲からチヤホヤされるのが楽しいのかな?
断言するよ。
そんな快感より、一所懸命に稽古した舞台の上で受けるカーテン・コールの方が絶対に上だね。
プロ俳優は、プロにメイクしてもらって、プロのカメラマンからスタジオで写真を撮ってもらえるんだよ。フィルムを何本もつかってね。
それに、しょせんは「ごっこ」でしょ?
声優として、自分の手で掴んだ役なら「ごっこ」じゃないんだよ。
手っ取り早いところで満足するなよ。
どうせ、目指すなら、もっと高い意識と大きな野心をもてばいい。
とゆーわけで、声優志望者のコスプレやおっかけは、百害あって一利なし。悪いこといわないから、今すぐ、やめるように。
あとで泣きを見ても知らないぞ。
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☆本気の志望者に会いてぇよぉぉぉぉ! いったい、ドコにいるんだぁぁぁぁ!
2000/4/12 (水) ■□■□■ この春から勉強を始める君へ ■□■□■
今週か来週ぐらいから始まる養成所や声優学校は多い。
「声優の勉強をするところってどんなところだろう?」とドキドキしてる人も多いだろう。
まず、家を出る前に、身だしなみを整えよう。
寝癖は論外、ブラシを髪にあてるぐらいは最低でもやっておきなよ。
男でも女性でも、リップクリームぐらいは塗っておきなさい。ひび割れたガサガサ唇で発声や滑舌をやると、切れて血が出るぞ。
ブランド服なんぞ着ていくことはないが、小ぎれいでこざっぱりした服ぐらいは着ていきなさい。間違えても、アニメのキャラがプリントされたTシャツやトレーナーなんて着ていくなよ。
これから君たちは役者になろうというのだ。見た目も大事なのだということを忘れないように。
遅刻は論外。授業の始まる30分ぐらい前に到着するように。
早く到着した場合、教室に入るまでは静かにすること。はしゃいでワーワーギャーギャーなんてやるんじゃない。
教室に入ったならば、明るい笑顔で「おはようございます」と挨拶しよう。
挨拶は人間関係の要。笑顔で挨拶できないようなヤツは役者なんてやれないよ。
明るく挨拶とはいっても、アニメ・ファン特有の「馬鹿騒ぎ」なんてのもやめておけよ。
養成所では90分から180分、連続して講義が続く。途中でトイレに行ったりしないで済むように、授業前に行っておきなさい。
君たちがやってきた中学校や高校の生活と違って、ここらへんは厳しいぞ。中学や高校では許されていたことでも、我々は許さないことは沢山ある。
今までの君たちの生活こそが狂ってたんだと思い直し、一から行儀と礼儀作法をやり直すつもりになるように。
(とはいえ、授業中であっても、どうしても我慢できないようならトイレに行ってもいいけどね。おもらしされるよりはマシ。でも、何人もがトイレに行くとなると、授業が中断してしまうということを忘れないように)
授業が始まる直前の30分は、ストレッチや発声練習のためにあるということを忘れちゃダメ。
一番最初の授業はともかくとして、2週目以降は他人がどうであれ、自分はストレッチや発声をやるように。
養成所というのは、お友達紹介センターでもなけりゃ、コミケ会場でもダンパ会場でもない。周囲がどうあれ、自分はキチンとすること。
「でも、友達ができないと寂しいし……」という人も多いことだろう。
じゃあ、聞くけど、君の家には発声練習できる空間はあるのかい? よほどの金持ちでもなけりゃ、ピアノ・レッスン室だのカラオケ・ルームなんてないだろ?
養成所の教室というのは、ちゃんと大きな声を出して発声練習できる空間なのだ。この機会と場を利用しないでどうするのさ?
クラスメートとのコミュニケーションなら、授業後にだってできる。でも、発声練習をするのは、いつでもできることじゃない。人並みの知性をもってして、どちらを選択するか考えてみることだね。
さて、授業が始まる。
最初は出欠からだ。
名前を呼ばれたなら、明るく大きな声で「ハイ!」と返事をすること。
今まで君たちが中学校や高校でやってきた「ヘェ」とか「ハァ」なんてのは、ありゃ返事じゃないんだよ。
「ハイ」という返事には2種類しかない。語尾を高く上げた元気のいい「ハイ!」か、語頭を大きく語尾を飲み込んだ行儀のいい「ハイ!」。
最初の授業では自己紹介をすることもある。人数にもよるが、30秒から1分ってところだろう。
氏名、出身地、趣味、特技、そして「これからの抱負」を、大きな声で明瞭かつ明朗に紹介すること。
中学校や高校では、あまり前向きにやっていると「なんだ、あいつ?」と周囲に思われ浮いてしまう。だから、君たちは自己紹介というと、目立たないように当たり障りなくやってしまう。
が、養成所では違う。目立ってナンボだ。講師と同期に強い印象をもってもらうべく、前向きな姿勢を見てもらえばいい。
ここでボヤボヤボケボケと鈍くさいことをやって、「暗いな」とか「馬鹿だな」と講師に思われると、その印象がけっこう長続きするからね。注意するように。
講師から質問されることもあるだろう。
この時、大事なことは行儀だ。
中学校や高校の先生相手ならタメグチでも文句は言わない。が、養成所の講師相手にタメグチなんて、とんでもないハナシだよ。
人権は平等だ。しかし、業界においては、君たちは役者以前のそんじょそこいらの石ころや虫けらと変わらないのである。
かたや、講師は、業界で数十年を生きてきたプロフェッショナル中のプロフェッショナルである。
まっとうな知性さえ持ち合わせていれば、とるべき態度はわかるってもんだろう。
講師は君たちのダチじゃないんだから、しっかりとした敬語で受け答えするように。
敬語が苦手だという人は、大きな書店にでも行って、ビジネス書のコーナーを探してみなさい。必ず敬語やマナーについて書かれている本が売っているから。
授業中、色々とセッティングしなければならないことがある。机を動かしたり、椅子を片づけたり、マットやじゅうたんを敷いたり片づけたりね。
この時、サッと立ち上がって手伝うこと。ボンヤリとお客様気分で待ってるんじゃないよ。
特に男子生徒! 物を持ち上げたり、動かしたりしなければならない時は、率先して自分から働くように。
女に重い物を持たせて平気でいられるような無神経なヤツは、絶対に役者にはなれないと覚えておけ。
また、授業中、講師は君たちに語りかける。この時、ただボケーとしていないように。
頷く、相づちを打つ、返事をする等々…… ちゃんと反応をするように。
反応がない相手にいつまでも語りかけるのは苦痛なんだよ。が、反応がある相手には、色々なことを教えたくなる。これ、人間の道理。
基本は、講師から、授業以上のものを引き出すべく、生徒も努力すること。
まぁ、講師によっては、毎年毎年使い廻しのオヤヂ・ギャグを連発することもあるだろう。その場合は可哀相に思って、とりあえずは笑ってあげたまえ。愛想笑いで講師の気分が良くなるんだったら、こりゃ儲けモンだとでも思って。
間違えても「さむ〜」とか「……今、ユーレイが通らなかった?」とかやんなよ。年輩の講師だと、ムキになって大激怒しかねないぞ。
さて、授業が終わる。
挨拶は「ありがとうございました」だ。これまた、明朗快活に。
で、授業が終わったら、後かたづけをしている事務員に「なにか、お手伝いすることはありませんか?」と尋ねるぐらいの気配りはしてほしい。
「なにもない」と言われたならば、さっさと教室から出ていくように。そして、いつまでも周囲にたむろしないように。
みんなと話したいというのであれば、喫茶店やファーストフードなどへ移動してからにしてくれ。
ただただ単純に邪魔なんだよ。
さて、お茶会または飲み会に行ったとする。
ここで、学校演劇やアマチュア演劇の経験者は、ついつい余計なことを言う傾向にある。また、全くの未経験者は、そういう経験者を「すごーい」と尊敬したりする。
どっちも無意味だからね、そんなの。
学校演劇だのアマチュア演劇だのの経験がそのまま活きるというなら、養成所なんてもんはいらないんだよ。
アマチュアが育てたプロなんてもん、この業界にはひとりもいやしない。プロを育てられるのは、プロだけ。
学校演劇やアマチュア演劇の経験者は、そこらへんのところ、謙虚にやってな。下手に最初のうちからでしゃばってると、後で恥をかくだけだからね。
未経験者は、とにかく教えられた基礎を徹底的にやればいい。変に落ち込むことなんてないよ。アマチュアにいぢられ、変な癖がついていない分だけ、自分は有利だぐらいに思っていていい。
時には、お茶会や飲み会で先輩に遭遇することもある。
この時、笑顔で優しく語りかけてくる先輩だけを相手していればいい。
先輩ぶってエラソーにするヤツなんぞは相手にするな。テキトーに相づちを打って済ませておけばいい。
また、「○○先生に好かれるには」とか「うまくやっていくには」なんてゆー低次元の話題を振ってくる先輩なんかも、マトモに相手することはない。
ドコの養成所であれ、プロ俳優になるためのステップに過ぎないんだよ。好かれるだの嫌われるなんてゆーアタマの悪い次元で生き抜いていくことは不可能なんだ。
唯一の突破口は「真面目に努力する」のみ。
そうそう。養成所で彼氏・彼女を捜そうなんてのもやめておくように。
よっぽど男の方が芝居が上手じゃないと、役者同士のカップルってのはうまくいかないものなんだよ。
女性はここんところを気をつけろよ。自分よりレベルの低い男優と付き合って、足を引っ張られた例は数えきれないからな。
男は、モテようとか思うな。ただただ芝居を頑張り続けろ。芝居が上手ければ、多少ブサイクであってもモテちまうんだよ、実際の話。一心不乱に芝居を頑張り続ければいいだけのこと。モテないのは、自分の芝居が下手だからと思えばいい。
真面目に半年も頑張っていれば、周囲にはレベルの高い同期が集まってくる。
寄って集まっても、芝居のハナシなんぞ出てこない低レベルの同期しか集まらなかったら、他ならぬ自分が悪いんだとでも思え。
今春から勉強を始める諸君に対する私からの最後のメッセージは……
「基礎を徹底的にやり抜け。
誰にでもできる努力は、努力とはいわない。
誰にでもはできない、人並み外れた努力をこそ、真の努力という。
正しい努力とは、成果を得られる努力をいう。
成果を得られない努力とは、努力そのものが足りないか、やり方そのものが間違っているに過ぎない」
この業界は99.99%が夢破れる、徹底的な競争社会だということを忘れないようにね。
……ま、ほとんどのヤツが、ここらへんを理解できなくて、自分が楽な道へと逃げ込んだ挙げ句、踏み潰され消えていくだけなんだけどね。
全ての基本は自分次第だよ。
高い意識、強い意志のために大事なのは、他ならぬ本人の決意と覚悟。
ぜーんぶ自分次第ってこと。
ふぅ。それにしても、本気の決意と覚悟をもった志望者に会いたいなあ。
最近、こればっかだよ。とほほ……
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☆23200アクセス突破! ありがと♪
☆さてさて、来週の火曜からバンタン電脳情報学院声優科の合宿だ。いきなり3泊4日の合宿から始まるってのもスゲェ話だよなあ。って、俺が考えたカリキュラムなんだけどさ。すっげーの育ててやる。待ってろよ、ボンクラ志望者ども。目に物言わせてやるぜ。
2000/4/11 (火) ■□■□■ 本気の志望者はどこにいる? ■□■□■
業界関係の友人の頼みで、二十歳の???志望者に会った。
???というのは、別にワイセツな伏せ字というわけでもない。
ま、彼の名をYくんとして、話を続けよう。
Yくんは、高校卒業後、九州から上京してきた。で、専門学校のタレント・コースというのに通っていた。今は、そこの学校を中退している。
で、問題は、このYくんは自分がなりたいものが不明確だということなのである。
私が「タレントってのは、私の専門外なんだけれども、具体的には何をしたいの?」と問うても、Yくんは「えー……」と考え込んでいる。
「俳優? お笑い? 歌手? どこからステップアップしていくつもりなのさ。で、どんなことをやりたいわけ?」と聞いても、「いやぁ、あまり深く考えたことがありません」。
呆れかえっちゃったよ、私は。
(ちなみにこのYくん、そこそこは可愛い顔をしているので、それなりにはモテるらしい。はぁ〜あ。こんなボンクラに引っかかる女ってのも馬鹿だよなあ。馬鹿と馬鹿でガキつくってんだから、日本が馬鹿ばかりになるのも道理だ)
だけどさ、「声優になりたい」って言ってる志望者のうちにも、Yくんと五十歩百歩のヤツって山ほどいるんだよね。
「変わった声してる」と友達に言われただけで声優になろうと思っているのとか、
修業をしたこともないのに、オーディションにさえ合格すれば声優になれると思いこんでいるのとか、
アニメ・キャラの物真似ができるといって、声優になれると思いこんでいるのとか、
ただ漠然と養成所に通ってさえいれば、自動的に声優になれると思っているのとか、
附属養成所さえ卒業すれば、プロダクションに就職できると思っているのとか……
まあ、ここまでは、このHPを読んで真剣に勉強している人にしてみれば、鼻で嗤われるレベルではある。
が、そこそこ真剣っぽくやってるフリしてるヤツの方が、私にしてみるとタチが悪いんだよな。
私のHPを読んで頷く志望者ってのは多いだろう。私に直接指導を受けていれば、深く深く頷いていることだろう。
でも、頷いているだけなら、レベルはYくんと変わらないんだよ。
真剣とか本気とか口先では言うものの、じゃあ、自分はYくんと比べてどうなんだい?
私が言ってることは、いつも同じ。
講師が教えられるのは、やり方までなんだよ。
やり方を教わったならば、やればいいだけのハナシでしかない。
なのに、やらないんだよなあ。
私が口を酸っぱくして「正しい腹式呼吸発声のためには、まず全身筋力を向上させなければいけない」と言ったところで、
耳にタコができるほど「滑舌をやれ」と言い続けたところで、
ゲームしたり、遊んだりする方が大事なんだよね。
1年も2年も基礎訓練から逃げて、好き勝手に遊び呆けた挙げ句に、卒業間際になってから泣きついてきたって遅いんだよ、馬鹿。
「いい芝居を観ろ」って言ってるのに、観ない。
「戯曲を読め」って言ってるのに、読まない。
「なぜ、体練をやらない?」「なぜ、発声をやらない?」「なぜ、滑舌をやらない?」「なぜ、舞台を観ない?」「なぜ、戯曲を読まない?」と問うたところで、うなだれてるだけ。または、言い訳をモガモガモゴモゴ。
どいつもこいつも、そんなのばっかり。
ふざけんじゃねぇよ、馬鹿。
だったら、俺の前に現れるんじゃねぇ。
消えろ、タコ。
こんなのばっかりだから、最近の私は養成に対する熱意が下がってきちまうんだ。
同じなんだよ、Yくんと。
Yくんの場合は、自分が描くべき将来の夢があやふやだから、今、何をすべきかわからない。
でもさ、「声優になりたい」って明確な目標があるんだったら、今、やるべきこと、なすべきことはわかってるわけだろうが?
やるべきこと、なすべきことがわかってるのに、やらねぇってんなら、そりゃYくんよりもオハナシにならねぇってことだ。
結局、Yくんに私はこう言った。
「おめぇ、二十歳だろうが? 日本ではなあ、義務教育を修了した年齢から社会人にもなれるんだよ。なにをフラフラしてんだ?
いつまでもガキ気分でボケボケやってるんじゃねぇよ。
役者になるもならないも、おめぇの勝手。さっさと覚悟と決意をしてこい、ボケ。
女のケツ追っかけてるヒマがあるなら、なんで練習しねぇんだ?
まだまだ遊びたいんだったら、さっさと諦めちまえよ。
邪魔なんだよ、おめぇみてぇなハンパモンがウロチョロしてやがると。
遊びながら追いかけられる夢なんて、どこにもねぇんだよ。18歳を過ぎてもわかんねぇんなら、おめぇ、マジで頭が悪いぞ。
なによりも俺が頭にくるのはな、『僕は夢をもってます。だから、他の人とはチョット違うんです』なんてフザケた態度なんだよ。
本気の夢ってのははなぁ、おめぇらみてぇなバカガキのお手軽お気楽なアクセサリーじゃねぇんだ。
夢を追う道ってのは、辛くて苦しいのが当たり前なんだ。
何度も何度も悔し涙を流して、血だらけ泥だらけになりながらも、けっして諦められない夢こそが、本気の夢ってものなんだよ。
人間ってのは、生き物だからよ。辛くて苦しいことからは逃げるのが本能なんだ。
その本能を組み伏せられるだけの決意と覚悟をもてばいいだけなんだよ。
そのために大事なことは志なんだ。18歳を過ぎても、まだ、自分の志をもてないような馬鹿の居場所なんざ、この業界のどこにもねぇんだ」
Yくん、顔面蒼白になってショボンってしてたなあ。
フン! 軟弱者めが。唇をかみしめて、血の一筋も流してみやがれってんだ。歯を食いしばることもなく、ヘラヘラボケボケやってきたから、顎が発達しねぇんだよ。
(それにしても、こんな軟弱者がそこそこモテるってのが不愉快なハナシである)
はぁーあ……
それにしても、燃えねぇなあ。
誰か私を燃えさせてくれよ、頼むから。
本気の志望者に会いたいなあ。ふぅ……
おーい! どっかにいねぇかぁ? 本気の志望者は。
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☆……とゆーわけで、私は真剣な志望者を募集中です。今、私の目の前で真剣な様を見せてくれたら、かなり、徹底的に指導してあげるよ(笑)。
2000/4/9 (日) ■■■ 求む! マジなやつ! ■■■
私の本業は文芸・演出である。
ここのところ、文芸の方はすこぶる快調だ。忙しさのあまり、嬉しい悲鳴をあげている。近いうち、このhpでもコーナーをつくろうかなって感じ(ほくほく)。
演出についても、EMOTIOを立ち上げたことにより、新たな局面を迎える(わくわく)。
で、問題は、副業であるところの声優養成講師である。
正直に言うと、最近、養成に対するモチベーションが下がる一方なのだ。
なんか、疲れちゃってるんだよ。精神的に。大きなトラブルがあったわけでもないのだが、些細なことがいちいち癇に触るのである。
どいつもこいつも口では本気だの真剣だのと、九官鳥かオウムのように言う。
でも、言うだけなんだよな。
言・う・だ・け!
ピィピィピィとさえずってさえいれば、私が親鳥のようにエサを突っ込んでくれるとでも思っているのか。
冗談じゃねぇよなぁ。
自主・自発・自律がない連中に何を教えたところで、んなもん、どうしようもないんだってーの。
腹式呼吸のための運動を教えてやったところで、どーせ、やんねーんだもん。
滑舌の練習法を教えてやったところで、どーせ、やんねーんだもん。
解釈の重要性を教え、戯曲を読めといったところで、どーせ、読まねーんだもん。
練習する時間はないくせに、遊ぶ時間だけはあるんだよな。
戯曲を読む時間や、舞台を観る金はないくせに、飲みに行く金と時間はあるんだよな。
芝居の話を真剣にするよりも、その場その場のテキトーでイーカゲンな話題で時間潰ししてるほうがいいんだよな。
そんな連中を相手にしてりゃ、そりゃ、かったるくもなるってもんだよね。
そんな連中のために、睡眠時間を削ったり、私生活を削ったりするのは、ほとほと嫌気がさしてきたって当たり前だよな。
私もさすがに疲れたわ。自分のお願いをする時だけは真剣な連中の相手をするのはさ。
毎日の地道な基礎練習はやらないくせに、夢だけでっかい“夢見る夢子チャン&夢男クン”の相手してられるほど、私は暇じゃねぇんだよ。
はぁーあ……
どっかにいないもんかねえ……
「私はお芝居が大好きです!
演劇に人生をかけてます!
プロ俳優となるためなら、どんな艱難辛苦も厭いません!
芝居のためだけに生きます!」って、私の前で言い切ってくれる志望者。
私に怒鳴られても、殴られても、蹴られても、私の全てを吸収し尽くすつもりで食らいついてくる奴ってのが、どっかにいねぇもんかなあ。
他ならぬ私が「おいおい。芝居漬けも程々にしておけ。死んじまうぞ、バカ」って心配してしまうぐらい、真剣に練習する志望者ってのはいないもんかねえ。
はひゅ〜……
そーゆー奴に会いたいなあ……
そーゆー奴にこそ、いや、そーゆー奴にしか、教えたくないってのが本音。
あー、会いたい……
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☆22900アクセス突破! ありがと♪
2000/4/6 (木) ■□■□■ Drama Lab EMOTIO ■□■□■
今年の3月に勝田声優学院を卒業した16期の有志と共に、新たな活動を始める。
学校でもなければ、劇団でもない。今までの日本にはなかった活動だ。
日本には、プロフェッショナル俳優のための修業の場が極めて少ない。
プロ俳優のマスコミ仕事である声優の場合でいえば、プロダクション所属後、デビュー後は、修業する場も機会も少なくなる。
劇団を持つプロダクションもあるが、公演が目標となってしまい、日々のトレーニングといった面では心許ない。
劇団で営業部門をもつところもあるのだが、あくまでも劇団は劇団。日々のトレーニングには申し分ないのだが、マスコミ仕事への優先度が低い。
私には私なりの、哲学と理想がある。
「クリエイターは修業を一生続けなければならない」
作家でも演出でも役者でも、経験を重ね、名が上がると、修業に対する姿勢が甘くなる。
経験則ばかりに頼り、新たな知識の吸収を厭う。日々の訓練さえ疎かにする者が、なぜ、プロのクリエイターといえよう。
我々クリエイターは、ありがちな個人の幸福なんぞは放棄すべきだ。
我々クリエイターが仕えるべきは作品である。
より良き作品をクリエイトしていくため、クリエイターは自分の能力を向上させ続けていかねばならない。
そう。死ぬ直前まで。貪欲に!
音楽家の世界には、レッスン・プロという存在がある。
レッスン・プロといっても、ゴルフやテニスの世界のソレとは違う。
演奏家は、公演に追われている。忙しい毎日の中、様々な作曲家の様々な楽曲を演奏し続ける。
すると、日々の中で「演奏が荒れる」という現象が起きるのだ。つまり、自分本来の演奏がわからなくなってくるのである。
その時、演奏家が「自分本来の姿」に戻るために頼るのが、レッスン・プロだ。
レッスン・プロがチェックするのは、技術ではない。解釈であり、表現だ。チェックされることによって、演奏家は自分本来の演奏を取り戻すのである。
私は同じことを、16期卒業生たちと始める活動の中でやっていこうと思っている。
養成所や学校ではない。
戯曲の公演もやるが、劇団ではない。
基礎のチェックを徹底し、
解釈の可能性を探り、
表現の可能性を探る。
新しいスタイルの演劇研究所‥‥ドラマ・ラボである。
ドラマ・ラボには、養成所やプロダクションの垣根はない。純粋に演劇能力を高めることを追求する。
このドラマ・ラボでは、トレーニング・スポットという活動もやっていく。
俳優志望者にとって、もっとも切実な問題は基礎練習場所の確保である。
身体訓練をやろうにも、家の中でドタバタやるわけにもいかなければ、発声練習などもってのほか。
滑舌練習にいたっては、ドコでどんな練習をすればいいのか、全く見当がつかない。
トレーニング・スポットでは、月3回、3時間かけ、身体訓練、発声練習、滑舌練習をやっていく。
これにも、養成所や学校の垣根はない。これから養成所の門を叩こうと考えている志望者にも門戸を開く。
エモティオ(EMOTIO)とは、ラテン語で「湧く」という意味だ。英語のエモーション=感動、情動の語源である。
自分で生み出す=自分の中から湧くものを大事にしたい。そういう想いから、名付けた。
エモティオのアイデンティティは‥‥
「人間の役者たれ!」
「自発的であれ!」
「自立的であれ!」
「自律的であれ!」
そして、「全てに優先し、なによりも演劇を愛せ!」。
さてさて‥‥
どんな展開になるかは、21世紀のお楽しみってところである。
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☆22500アクセス突破! ありがとうございます♪
☆エモティオの構成員募集は、しばらくはありません。まだまだ組織固めの段階だからね。
トレーニング・スポットは、近々、このHP上でも募集を開始する予定です。
とはいえ、金儲け目的ではないので、定員は15人ぐらいかな。既に3分の1は埋まっているので、ネットから何人を入れられるかはわかりません(フィジカル・トレーニング講座におけるネットからの参加者が少なかったからねぇ)。